田夫の功(でんぷのこう)
田夫の功の意味は争っていたもの同士が共倒れになってしまって、その争いとは関係ない第三者が利益を得る事です。日本に馴染みの深い言葉で言うと「漁夫の利」がこの言葉とは非常に近しい言葉になります。日常生活でそれほど頻出する言葉ではありませんが、覚えておくといいかもしれません。今回は田夫の功について、意味や由来、例文、会話文、類義語を交えて、わかりやすく解説をしていきます。
田夫の功の意味とは
田夫の功の意味とは、争いをしていた当事者が共倒れになってしまい結果として、その争いとは関係ない人が利益を手にする事です。最近ではハイテク産業の業界を巡って、米中の摩擦が日に日に激しくなっていますが、これに田夫の功を得るのは、中国企業と激しく争っていた韓国のサムスン電子であると言われています。中国企業に規制を世界でかける事になれば、今中国系企業の機器を使っている企業の次の選択肢はサムスン電子になることが明白だからです。ここに日本企業が入らないのは非常に残念ですが、こういった事案を田夫の功と言います。
田夫の功の由来
田夫の功の由来は中国の故事から来ています。「田夫」というのは農夫を指しており、元々は犬がウサギをおいかけ続けていて、両方とも疲労で死んでしまい、それを通りかかった農夫が何の苦労もなく両方を手にいれた話が故事となり、由来となっています。
田夫の功の文章・例文
例文1.大統領の地位は他の候補同士の激しい対立によって、田夫の功で手に入れた。
例文2.先行者利益を目指して、激しく争っていた企業同士が不況で身動き取れなくなり、田夫の功で後発企業が多くの利益を手にした。
例文3.ウサギと亀の話ではないが、地道に歩みを進めていると田夫の功を手にするチャンスがある。
例文4.土地を巡って、不動産会社同士が激しく争っていたが、地主は嫌気がさして地場の不動産事業者に売却して田夫の功を得た。
例文5.政治的な影響を受けて、企業が大打撃を受ける事も多く、田夫の功を得る為に会社を成長させよう。
田夫の功は、労せずして利益を得る事を指しており、そういった文章も多くなっています。
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田夫の功の会話例
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この前、仕事で上司に今回の結果は田夫の功だけど、自信をもってこれからも頑張れ!と発破をかけてもらったんだけど、意味がわからなくて…。
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そうよね、田夫の功なんて普段あまり使う言葉ではないものね。漁夫の利ならすぐにピンとくるのにね。
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その場でキョトンとした顔をしちゃって、もう少し一般教養の勉強をしような!って言われちゃった。
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まだ若いんだし、わからない事は恥ずかしい事じゃないわよ。今回の事を糧にして、しっかり覚えておけばいいんじゃない?
田夫の功という言葉を会社の上司に言われて、意味がわからなかった男性と話をきいた女性の会話でした。
田夫の功の類義語
田夫の功の類義語としては、「漁夫の利」「濡れ手で粟」「棚からぼたもち」「犬兎の争い」などが挙げられます。
田夫の功まとめ
田夫の功については、一般的に同様の意味を持つ漁夫の利が使われるケースが多い為、それほど利用頻度の高い言葉ではありませんが、言葉の成り立ちや生まれをしっかり覚えておくと他の類語もスムーズに理解が出来るのではないでしょうか。