留意(りゅうい)
何かに気を付けて欲しい際に、大人になると「留意」という言葉を使う事がありますよね。以前は別の言葉を使っていたのに、年相応なのか礼儀としてなのか「留意」と使ってしまいます。しかし、人によっては今一つ正確な意味が分からないという事もあるでしょう。そんな「留意」について調べてみました。
留意の意味とは
「留意」の意味は以下の通りとなります。
(1)物事に心を留めて気を配る。気を付ける。注意。
(2)抽象的な表現が「留意」、具体的な表現が「注意」。
「留意」の意味は物足りないと感じますが、これだけです。基本的には「注意」とほぼ同じなので、場合によっては警戒・用心・集中するというニュアンスも含まれます。よって、本来はとても簡単な意味の「留意」なのですが、これしかない事で逆に難しくも感じさせます。それは「注意」との明確な違いが分からず曖昧になってしまうからです。「留意」と「注意」の使い方の違いとして、結論としては実は大きく気にする必要がありません。微妙な違いはありますが、神経質になるほどの問題はなく、大抵の状況でどちらを使っても問題ありません。例えば、子供がイタズラをして叱る際には、「注意」となりますよね。そこであまり「留意」とは聞きません。しかし、「留意」を使っても問題がなく、意味としても正しいです。実際に、子供に対して「気を付けるよう留意しないとダメでしょう」と発しても、何一つおかしくありません。これは使う方の慣れや経験の違いで、何となく「留意」は相手が大人でないと、叱る時には使わないのではという思い込みからくるものです。ですが、特定の状況下では「注意」が好ましく、「留意」は合わないというのもあります。例として火事の場合でも、漠然と火事にならないように気を付けるなら両方使えますが、実際に火事が発生したり、何度も火災が起こっているので呼びかけとして声を掛けていりなら「注意」になり、「留意」ではのんびりした印象で危機感が伝わりません。この違いを認識すると、「注意」の方が幅広く便利に使えて、「留意」は限定的で状況に応じては相応しくありません。
留意の由来
中国語「留意」が発祥とされますが、残念ながら日本に広まった時代などは不明です。文献としては、自由民権活動家・村田文夫の「西洋聞見録」(1869年)に「留意」を使った一文が残されています。
留意の文章・例文
例文1.年末を控え、暴飲暴食が続くので少しは留意しないとダメだと自覚した。
例文2.取引先にミスが続くので、担当者にやんわりと留意をお願いした。
例文3.夫婦で互いに健康に留意するよう努める。
例文4.中国製家電を購入したら、マニュアルには留意事項と書かれていた。
例文5.家族に何か問題がないか、それぞれが留意し合うのが我が家の良さである。
軽い注意的な扱いで、「留意」を使った文章例です。
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留意の会話例
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留意と注意の違いって分かります?
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言われてみると、似ているけど微妙に違う言葉だよね。取引先とか同僚には留意、子供を叱る時には注意かなー?
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そんな感じですよね。俺は丁寧や気を遣う場合は留意、感情的になると注意っていう感じです。
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それも分かるねー。危ないって咄嗟に出た言葉は注意、危ない疑いがありますよーは留意かな。でも実際は後付けで、無理やり意味分けしている気もするね。
「留意」と「注意」の違いについて会話をしています。
留意の類義語
「留意」の類義語には、「注意」「介意」「配慮」などの言葉が挙げられます。
留意まとめ
「留意」とは基本的には「注意」と同義で、物事に心を留めて気を配る、気を付けるという意味があります。細かな違いとしては、「注意」の方が様々な場面で用いられ、「留意」は漠然とした注意という感があります。今この瞬間に危機が起こったら、それは「注意」が相応しく、「留意」では緊張感に欠けます。同じ様な意味でも、その違いが大事なポイントとなります。