疾風怒濤(しっぷうどとう)
皆様は「疾風怒濤」という言葉はご存知でしょうか?読み方は「しっぷうどとう」と読み、強烈な文字が入って、インパクトの強い四字熟語になります。今回はそんな「疾風怒濤」について徹底的に解説していきます。
疾風怒濤の意味とは
「疾風怒濤」とは、激しく荒れ狂っている嵐や大波の様子を指します。
そこから派生して時代や社会の状況が大きく変化することも意味します。
「疾風迅雷」と類似していますが、意味は少し異なります。注意しましょう。
疾風怒濤の由来
「疾風怒濤」の原点は実はドイツにあります。18世記後半にドイツの文豪ゲーテやシラーらが、当時人間の理性を重視した風潮に対して、感情を重視したロマン主義を提唱する運動をしていました。その文学革命運動のことを”Sturm und Drang(シュトゥルム・ウント・ドラング)"と呼びます。
その言葉の意味としては「嵐と衝動」という意味ですが、ドイツ文学者高橋健二氏が日本語に訳した際に「疾風怒濤」となりました。
本来の言葉の意味通りに「荒れ狂った嵐や波」と使われることもありますが、文学革命運動のエピソードから「時代の大きな動き」という意味でも使われる四字熟語になります。
疾風怒濤の文章・例文
例文1.今日は台風17号が接近しているため、海は疾風怒涛な状況だろう。
例文2.日本海は太平洋に比べて荒波になりやすいため、豪雨の時はいつも疾風怒濤だ。
例文3.IT技術の発展によって、世界の経済活動は疾風怒濤である。
例文4.我が家の朝は、みんな寝坊し、みんなせっかちな性格なため、疾風怒濤な状態である。
例文5.疾風怒濤な時代にはいつも優秀なリーダーが現れる。
「疾風怒濤」は状況や変化を表す時に使用します。
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疾風怒濤の会話例
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部長、あの優しい社長は実はめちゃくちゃ怖い人だったって本当ですか?
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本当だよ、当時はバブル全盛期ともあって社長も若かったし、会社も社会全体も勢いがあった。一番遠い席の人間に怒鳴っていたこともあったよ。
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そうだったんですね、あの温厚な社長が怖かったってことはそれぐらい余裕が持てない状況だったんですね。
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まさに疾風怒濤の時代だったんだ。おかげで社員はちょっとやそっとじゃ負けない精神力を持っているし、社長もあそこまで器の大きい人間になったんだ。
「疾風怒濤」を用いた会社での日常会話です。
疾風怒濤の類義語
「疾風怒濤」に関連する言葉として、「疾風迅雷」「迅速果敢」「疾風の如く」などがあります。
疾風怒濤まとめ
今回は「疾風怒濤」という言葉について詳しくご紹介していきました。
激しい風と荒れ狂う波という意味と、時代の激しい変化を表す言葉でした。
四字熟語は日本や中国が発祥が多いため、ドイツ発祥の言葉というのは驚きですね。
ITの時代になり、新しい技術の開発に伴う社会の変化が激しい現在はまさに「疾風怒濤」な時代と言えるでしょう。