皮肉(ひにく)
皮肉というのは言われるとつらいものです。思わず顔が引きつってしまったり、あとあと「あれはどういう意味だったんだろう・・・」と真意を測りかねて悶々としてしまうことも。私たちもついつい言ってしまいがちですが、この皮肉、出所はいったいどこなんでしょう? 皮肉の意味や由来を探ってみました。
皮肉の意味とは
皮肉とは「嫌味なこと」という意味。ただ単なる悪口ではなく、あえてグサッと刺さる言い方にするのが皮肉です。皮肉の内容は基本的に的を射ているので、なおさら毒のように心に刺さります。
英語でも皮肉の表現があります。例えば、何かしてあげたのにお礼も言わなかった相手に、あえて「Thank you」と言われる前に「You’re welcome」(どういたしまして)と言ったりします。つまり、「お礼の一つもないのかい?」ということを嫌味っぽく指摘しているわけです。また、皮肉には「努力や予想に反して思わしくない状況に陥ること」という意味もあります。
皮肉の由来
皮肉の由来を見てみましょう。
皮肉はもともと皮肉骨髄という仏教における四字熟語でした。
弟子を評価する際に使われた言葉で、皮が最も表面的な理解。髄が最も本質的な理解を表しました。師匠は弟子を評価する際にこの4段階で評価したのですが、現在では骨髄はなくなり、低い評価である皮肉だけ残ったということです。
三国志に出てくる「髀肉之嘆」という故事と間違えないように注意です。
皮肉の文章・例文
例文1.あいつは何事も斜めにとらえる皮肉屋だ
例文2. さっきの彼の言葉は悪気がなかったのか、それとも皮肉だったのだろうか
例文3.皮肉を皮肉とも思わないほど疲れている
例文4.努力の甲斐むなしく、皮肉にも取引は中止となった
例文5.皮肉なことに、今や彼の方が立場が上だ
上記のように、皮肉には「嫌味」と「物事がうまくいかない、思わしくない」という2通りの使い方があります。
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皮肉の会話例
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またテストで満点か。君は全く優秀だな。
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ありがとう。その割には、ずいぶんと皮肉な口ぶりね。
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ふん、いつまでもちやほやしてもらえると思うなよ。今のうちにいい気になっているがいいさ。
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嫌味をいくら言ってもみじめなだけよ。悔しかったら、実力で証明することね。
上記の会話では、女子生徒の成績をねたむ男子が皮肉を言っています。実力を認めたくないからこそ皮肉を言ってバカにする、というパターンもあります。
皮肉の類義語
皮肉の類義語を見てみましょう。「嫌味」「毒舌」などが挙げられるかもしれません。どちらも言葉通りに、悪口を言う様子を表しています。嫌味は皮肉よりストレート、毒舌は皮肉以上に悪口が豊富で多彩なイメージですね。
皮肉まとめ
ここまで、皮肉について見てきました。皮肉というのは心に刺さるので、あまり人に言うべきではありません。できる限り、言っても聞いても心地よい言葉を使いたいものですね。