睥睨(へいげい)
「睥睨」はどちらの文字も漢字検定1級レベルに相当するので、普通の方はまず読み書き不可能な難解さを極めています。それでも、最近は一部マニア向け作品などで「睥睨」がタイトルとして使われる事もあり、認知されつつある文字となっていますが、意味まで理解しているのは少数派ではないでしょうか? そんな漢検1級レベルの難解さを誇る「睥睨」についての、解説をさせて頂きます。
睥睨の意味とは
「睥睨」の意味は以下の通りとなります。
(1)睨み付ける。
(2)流し目で、相手に不快を与えるように見る事。
(3)威圧するような目つきで、相手を怖がらせる。
(4)周囲を凄むような目つきで、睨み回す。
相手一人、又は複数や全員に対して睨み付けたり、威嚇や威圧するような目つきをする事が「睥睨」となります。平たく言うなら、往年のヤクザ映画の俳優が演じる目つきや表情となります。しかし、実際の文章で使う場合は、芥川龍之介の作品など近現代文学で登場する事も多く、そこでも眼光の鋭さを強調する意味合いが持たれています。
睥睨の由来
「睥睨」の正式な由来、いつ頃から使われ始めたのか等は不明です。しかし、明治時代に活躍した詩人・評論家の北村透谷の長編叙事詩「楚囚之詩」には、「眼は限られたる暗き壁を睥睨~」という一文が残されています。また、「睥」は体を低くしてかがむ、「睨」は下から睨むという意味があり、この二つの文字を合わせて「睥睨」となりました。
睥睨の文章・例文
例文1.万引きGメンが、スーパー店内で怪しい人に睥睨をきかせる。
例文2.刑事や警官の仕事とは、睥睨を長時間できる能力も試される。
例文3.個人投資家は常にモニターを監視して、それはまるで睥睨と言えるほど真剣そのものだ。
例文4.アフリカの動物も油断すると命取りなので、睥睨を常にしている緊張感が伝わる。
例文5.テスト中の監視員が、睥睨しているような迫力があり緊張してしまった。
実生活で「睥睨」を使うのは少なく、似た言葉で代用するのでどうしても例文も馴染薄いですが、大凡ではこのような使い方となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
睥睨の会話例
-
目は口ほどに物を言う、という諺もあるからね。だから、目力を鍛えようと思っているんだ!
-
確かに目に迫力があると、魅力的だしセクシーな感じがするよね。それって、睥睨って言うんだよね?
-
睥睨は睨むや威嚇という意味じゃないかな? でも、相手に印象を与えるなら、同じような事だよね。
-
じゃあ、私も睥睨力を高めるように頑張ろうかな。でも、女性の場合はあまり言われない感じもするね!
「睥睨」と目力についての会話内容となります。
睥睨の類義語
「睥睨」の類義語には、「虎視眈々」「睨みをきかせる」などの言葉が挙げられます。
睥睨まとめ
「睥睨」は、睨むや威圧するような目つきという意味があります。由来となったのは、子供が下から睨む際の動作が元とされ、現在は漢検1級レベルの難解さを誇っています。