稀有(けう)
珍しいや意外な事を例える言葉の「稀有」(”けう”、又は”きゆう”。〝希有”との表記もあり)について、解説をさせて頂きます。この言葉は、”稀”の読み方で大凡の意味を推測出来てしまいますよね。”キ”、”ケ”、”まれ”、”うす”と読めるので、そこに”有”を付け足し、「まれな事が有る」ので「稀有」となったのでは、と思われるからです。果たして、この推測が正しいのか、きちんと調べてみました。
稀有の意味とは
「稀有」の意味は、大凡で以下の通りとなります。
①めったにない。非常に珍しい出来事。
②不思議な事、またそのような状況。
③とんでもない事、意外な事。
④希有にして(かろうじて、ようやく)。
⑤けしからん、怒っている(とんでもない事や意外な事に怒る)。
誰もが納得なのは、①~③までの意味ではないでしょうか? 珍しい出来事や不思議、意外な事に対して「稀有」と使うのが一般的ですが、時には”かろうじて”や”ようやく”と表現する際に、「稀有」を使う事もあります。例えば、人質にされていてなんとか逃げきった場合は、「ようやく助かった」とする際に「稀有にして、助かった」となります。また、相手が意外な事をして、それが不快で怒った時にも「稀有」が使われる事もあります。しかし、現在では①~③を表現する際に「稀有」を使うのが常識とされ、それ以外では意味が通用しない、理解されなくなっています。
稀有の由来
「稀有」がいつ頃、中国から日本に入ったのか、現在のところは詳細が不明となっています。しかし、鎌倉時代の軍記物語である「平家物語」には、「平氏の大将維盛、通盛、希有(稀有)の命生きて加賀国へ引き退く」という一文があります。
稀有の文章・例文
例文1.梅雨でも、10日間連続で雨となったのは稀有ではないか?
例文2.家族全員が健康で仲睦まじいのは、今の世の中では稀有と思えなくもない。
例文3.あの有名な映画監督は、若い頃から稀有な才能を持っていた。
例文4.彼女と結婚できたのは、私にとって奇跡であり稀有な出来事だったと今でも言える。
例文5.これだけスマホが普及したのは、数十年前なら想像出来なかったので、現代文明の稀有な発展の一つである。
稀有な才能・人物、他には大自然などは使いやすいですが、それ以外は稀有を用いるのが少し苦労します。
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稀有の会話例
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新婚旅行でオーストラリアに行く事になりました!
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おめでとう。やっと、どこに行くか決まったんだ。ずいぶんと、行く先が決まらず悩んでいたからね。
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一生に一度の新婚旅行だから、オーストラリアの大自然で稀有な日々を二人で送りたいと思い、決めました。
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それよりも、ケンカをして成田離婚などをしないように気を付けてね。それこそ、稀有な出来事だよ!
現実離れした稀有な日々をオーストラリアの新婚旅行で期待する人物と、祝福しながらもケンカをしないように促す会話となっています。
稀有の類義語
「稀有」の類義語には、「希少」「類稀」などの言葉が挙げられます。
稀有まとめ
「稀有」は、非常に珍しい、不思議や意外などの意味を持つ言葉です。とても使いやすいので、口癖のように用いる人も多いですし、小説などにも頻繁に登場するので、覚えておくと便利です。