穀雨(こくう)
「穀雨」とは「旧暦・二十四節気における晩春を指す暦を表す言葉」です。現代は時期を表すのに春や夏ともいいますが、これではあまりにも漠然としているので「〇月」や「〇月初旬」や「〇月〇日」といった形にしていますよね。しかし、昔の人々は月や日という概念が存在しなかったので、春夏秋冬の四季に立春・立夏・夏至・立秋といった1年を24に分けた「二十四節気名」を用いて区別していたのです。
穀雨の意味とは
「穀雨」の意味は以下の通りとなります。
(1)穀物を育てる雨という事から、「太陰太陽暦」で太陽の黄経を24等分し分点に季節の名称を与える「二十四節気」の一つで、現代の4月20日頃から5月5日頃まで。
(2)毎年4月20日頃からの穀物を潤す春の雨を指す表現。
(3)春の季節の最後の時期である晩春を指す。また、その時期の雨は穀物の成長を促すので特別に呼ばれる。
古代中国や昔の日本は1年を太陽の動きに合わせて24に分類した「二十四節気」が暦として用いられ、春の時期は順番に立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨の6つに分けられたので、春の最後となるのが「穀雨」です。ですから「二十四節気の第6」とも言われ、現代に合わせると4月20日頃から5月5日頃までになります。例年この時期は秋に実りを迎える穀物の準備期間とされ、雨が降ると成長を促すので非常に大切にされてきました。そんな背景から雨が降って欲しい願望として「穀雨」となり、実際には雨が降っていなくても時期を表す際に用いる表現となっています。
穀雨の由来
「穀雨」の由来とされる「二十四節気」は古代中国・春秋戦国時代に誕生した、現代の旧暦となる暦です。効率よく農業で作物を栽培する為に時期の目安として導入され、一説によると黄河流域が発祥の場所とも言われています。
穀雨の文章・例文
例文1.実家に暮らす祖母はカレンダーを見なくても、空の景色や風に空気感で今は穀雨の頃だと言い当てるので子供心に不思議だったが、当時は驚かす為にやっていただけだった。
例文2.農家の人達は春の雨を穀雨と喜ぶと思っていたが、近年は豪雨被害が深刻なのでそんな思いはないそうだ。
例文3.穀雨の時期に我が家にやってきた愛犬は早くも家族全員のアイドルになった。
例文4.ソロキャンプをしていたら春の嵐に遭ってしまい安いテントで不安の一夜を過ごしながら、絶対に来年の今頃である穀雨になったら素敵な女性と一緒にリベンジキャンプをすると誓った。
例文5.穀雨の期間に雨が多かったので、美味しい新米が食べられそうだ。
「穀雨」を使った例文となります。
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穀雨の会話例
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最近はめっきり暖かくなってきたねー。
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それは春だしね。当然よ。でも、明日は雨で少し冷えるみたい。
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春の雨…、時期的にも穀雨っていうものだな。
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そんな難しい言葉を知っているんだー。偉い偉い。
春の時期の雨について会話をしています。
穀雨の類義語
「穀雨」の類義語には「春雨」「春時雨」「花の雨」「暖雨」「桜雨」「寒明け」「早春」「初午」「雪解」などの言葉が挙げられます。
穀雨の対義語
「穀雨」の対義語には冬の晴れた日として「冬日和」「冬晴れ」「小春日和」「冬日和」「冬麗」「御講日和」などの言葉が挙げられます。
穀雨まとめ
暦において旧暦である太陰太陽暦の基準となる「二十四節気」の春にあたるのが「穀雨」です。厳密には現代の4月20日頃から5月5日頃までとされ、この時期の雨は穀物の成長に大変重要な事からも「穀雨」と呼ばれています。要するに昔の立春・春分などと同じ扱いなのですが、現代は「穀雨」はあまり使われない表現なので少々難しく感じてしまいます。