窓際族(まどぎわぞく)
窓際族とは、社内で閑職、つまり全然仕事を与えられない社員や、そういった部署に左遷させられた社員全般を表す言葉です。この言葉は一昔前の会社でよく使われていた言葉で、テレビドラマなどで時々、出世街道(出世コース)から外されて雑用部署に飛ばされるなんてシーンを見ることもあると思いますが、そういった部署にいる社員のことを揶揄する表現として用いられていました。近年ではあまり聞くこともなくなった言葉ではありますが、今回はそんな「窓際族」について解説をしていきます。
窓際族の意味とは
窓際族の意味は、社内で仕事を与えられなかったり、雑用ばかり強いられていたり、出世街道などと言われるコースから外されてしまった社員を皮肉の表現で扱う言葉になります。窓際族と呼ばれる社員の特徴として、業務量が明らかに他の社員より少ないという他に、何かをしているように見せかけて生産性がほとんどなかったり、毎日同じ決まった業務しかしていなかったりするような人のことも表すようです。
この言葉はどちらかというと、昭和の会社の文化で使われることが多く、特に40代くらいの中高年の社員に対して使われていることが多かったようです。窓際族であることに対しての価値観は様々ですが、仕事量が少ないため、残業をすることもなく、時間にある程度自由がありながら社員として給料ももらえるといったプラスな捉え方もあれば、やりがいがない、社内で他の社員に相手にもされない、他の社員からの視線が痛い、スキルや経験が身に付かないといったマイナスな捉え方もあるようです。一昔前では、日本では終身雇用というのが浸透していたため、そういった出世コースからは外れて社内で必要とはされなくとも解雇されることはなく、ずっと社員でいられたのが多いようですが、現在ではそういった窓際族を雇う余裕のある会社が少なく、早期退職優遇制度やリストラ、転職も珍しくないため、そういった窓際族と呼ばれる人も少なくなり、ほとんど聞くことはなくなりました。
窓際族になってしまう要因としては、上司からの理不尽なパワハラや、出世街道から外れてしまう、周りとの競争で負けてしまうなどと言った、今風の言い方をするなら上司ガチャや会社や環境に恵まれないと言う外的要因であったり、そもそも本人に仕事への積極性がない、責任感がない、与えられた仕事の完成度が低いといった内的要因もあったりするようです。窓際族は「deedwood」「excess baggage」などといった英語でも表記されますが、いずれも役に立たない人という意味で、揶揄表現として使われます。
窓際族の由来
窓際族という言葉は、1977年の北海道新聞のコラムが由来になったとされています。出世するコースから外れて、与えられる業務量も少なくなり、社内では期待をされず、窓際の席で新聞を読みながらぼんやりと窓の外を眺める中高年の人を「窓際おじさん」と表現されたコラムがあり、それが転じて「窓際族」として使われるようになったとのことです。
窓際族の文章・例文
例文1.窓際族にならないよう一生懸命仕事をして成果を残す
例文2.この会社も、昔は窓際族と呼ばれる人の集まる部署があったみたいだ。
例文3.窓際族の人はいつも会社に来てもぼーっと時間を過ごしていて、仕事が嫌にならないか心配だ。
例文4.今でも古い文化で窓際族がいる会社は存在するようだ。
例文5.窓際族になってしまうくらいなら転職するほうがましだ。
窓際族を使った例文になります。最近では聞くことも少ない言葉ですが、古い文化の残る会社では今でもあるようです。
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窓際族の会話例
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あの窓際族と呼ばれてる課のAさん、元々は部長と同期なんだって。
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そうなんだ、同期でもあんなに違ってしまうんだね。
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うちの会社は上下関係も競争も激しいからね、少しでも出世ルートから外れてしまうと、もうそのルートには戻れないって噂だよ。Aさんは上司に恵まれず、パワハラでルート外されたなんて噂もあるよ。
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そうなのかー、なんだか想像するだけで気が休まらないよ。
社内での若手社員の会話の様子です。理不尽に窓際族になってしまう社員も、パワハラなどが今ほど言われる前の時代には珍しくないのかもしれないですね。
窓際族の類義語
窓際族の類義語には、「社内ニート」「窓際おじさん」「お荷物社員」「会社の妖精さん」などがあげられます。
窓際族まとめ
窓際族とは、社内で仕事を与えられなかったり、雑用ばかり強いられていたり、出世街道などと言われるコースから外されてしまった社員を皮肉の表現で扱う言葉でした。現在では、そういった文化の残る会社も少なく、ハラスメント関連も厳格化されており、転職なども主流になっているため、そのような言葉を耳にすることも少ないと思いますが、パワハラの一種で、窓際族のように全く仕事を与えてもらえない社内ニート状態の扱いをされるといった職場も未だにあるようです。働き方改革などで、働きやすい職場が増えているようですが、そういった職場もあるという事にもっと目を向けていかなければならないのかもしれないですね。