立ち往生(たちおうじょう)
立ち往生という言葉を聞いたことがあるでしょうか。読みは「たちおうじょう」です。立ち往生は仕事、家庭、とっさの状況など様々な場面で使うことのできる言葉です。この記事では立ち往生の意味・由来・例文・会話例を分かりやすく紹介します。
立ち往生の意味とは
立ち往生は「どうにも身動きが取れないこと」「後にも先にも進めず困ってしまうこと」「進展が望めないこと」というような意味があります。
往生は「死ぬこと」、つまり言葉そのままの意味は「立ったまま死ぬこと」です。これが現在では「立ったまま何もできない状態」というイメージで使われており、「色々なことが行き詰ってしまう」「進退極まる」というような意味になりました。
立ち往生の由来
立ち往生の由来はかの有名な源義経に仕えた武蔵坊弁慶です。
弁慶といえば怪力夢想で知られた大人気の人物。向う脛の事を「弁慶の泣き所」などと呼ぶように、立ち往生も実は弁慶が由来なのです。
弁慶が死ぬときに衣川の戦いで体中に無数の矢を請けながらも、なおも倒れ伏すことなく立ったまま死んだことを「弁慶の立ち往生」と呼びます。現在の立ち往生はこれを由来にしていると言われています。
立ち往生の文章・例文
例文1.イベントの欠員が次々に出て、思わず立ち往生してしまった
例文2.このままのやり方でいくと、きっと立ち往生するよ
例文3.立ち往生しながらも、なおも諦めない姿勢に好感が持てる
例文4.このまま仕事に追われて立ち往生する位なら転職した方がましだ
例文5.立ち往生した部長の顔が見ものだ
立ち往生は様々な原因で現状が行き詰まってしまう状態を表現することができます。基本的にはマイナスの状況で使われる言葉です。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
立ち往生の会話例
-
とうとう年度も変わりましたが、御社の方針は昨年度とほぼ変わらないと聞きましたが、本当ですか?
-
本当だよ。経営は厳しいのに、てこ入れを進言した若手の意見をことごとく退けて、今までのやり方を踏襲することにこだわったらしい。末端で働く自分たちとしてはたまったもんじゃないよ。
-
会社外でも噂は立っていますよ。これからの先行きが心配ですね。
-
ああ。そのうち自分たちも含めて会社全体が立ち往生するのは目に見えているよ。
立ち往生するのには必ず原因があります。立ち往生という言葉を使って会話している時こそ、実はその状況を回避できる可能性のあるぎりぎりの状況なのかもしれませんね。
立ち往生の類義語
立ち往生の類義語としては「行き詰る」が最も近いでしょう。また、「袋小路に入る」というような言い方もできます。状況が動かなくなることを「膠着状態」と言い換えることもできます。「にっちもさっちもいかない」という言い方もあります。
基本的には「状況が動かなくなる、進展がない」というような表現であれば、類義語として使うことができます。
立ち往生まとめ
ここまで立ち往生の意味や由来、例文、会話例を見てきました。
由来自体は弁慶の無双っぷりをたたえるニュアンスがありますが、現在ではなるべくなら使う機会がないことを願いたい言葉ですね。