粗を探す(あらをさがす)
「粗を探す」は「物事やその人の短所や欠点を執拗に探す事」です。誰でも弱点や欠点などはあるものですが、それを執念深く見つけ出して、いざ発見するものなら悪口を言ったり指摘して悦に入るという人間としては最低な行為です。しかし、これが悪い行為と分かっていても、苦手や嫌いな相手には思わずそんな行為をしたり感情を抱いてしまうものなのでしょう。そんな揚げ足取りな「粗を探す」についての解説となります。
粗を探すの意味とは
「粗を探す」の意味は以下の通りとなります。
(1)短所や欠点や不首尾などを詮索する事。映画や漫画といった作品などの欠点ばかりを探す事。
(2)他人の欠点を探し出し非難したり、追求する事。
(3)「粗探し」「粗捜し」も同義となる。
”粗”は「落ち度」「欠点」「米ぬか」「魚などの食べられる良い部分を除いた骨や頭」で、他人の欠点や弱点を詮索したり、また作品なども悪い部分ばかりを執拗に探すのが「粗を探す」です。前者は人を非難するのが目的であり、後者も同様ですが他にも自らの方が知識や経験があると誇示したい目的もあります。作品の「粗を探す人」の多くは、ネットなどに評論家気取りで意見を連ねるものです。また、賛同してくれる人が多くなると、「粗を探す」のが一種の喜びになるのでしょう。これは他人の欠点詮索も同様で、周囲に同調してくれる人が多くなると、悪口の熱量も上がりさらに事細かに「粗を探す」様になる悪循環へと繋がります。「粗を探す」行為は昔からありましたが、近年のネット普及による掲示板やSNSなどの過激な悪口めいた書き込みのエスカレートぶりは異常そのもので、背景には便利なツールを使って誰でも容易にできるようになった反面、不特定多数が悪意の有り無しは関係なく、好きな時に好きなだけ相手の感情などを無視して書き込める様になったのが「粗を探す人」が増えた要因ではないでしょうか。近年は「粗を探す人」は生活でストレスを抱えていていたり劣等感から、成功者などの粗探しやバッシングを止められないと指摘されていますが、それでも言われた方は堪らないものです。
粗を探すの由来
「粗を探す」の由来は諸説ありますが、”粗”は元々魚などから身を取った残りの頭や骨であり、そんな骨に少しばかり付いた残り物の身の事です。それを「粗汁」として料理にする様になり、残った身を探して食べる事から「粗を探す」と呼ばれ始めたのです。
粗を探すの文章・例文
例文1.政治家発言の矛盾点である粗を探すのは国民の義務だが、最近は平然と嘘を吐き通すので、粗を指摘しても無駄であると諦めの境地に達してしまった。
例文2.粗を探すよりも、良い所を探す方が人間関係が円滑に進むのに、それを出来ないのはコミュニケーションを取る事がそもそも面倒と感じているのだろう。
例文3.地元有権者である後援会に寄付行為とされる接待めいた桜の会が発覚しても、検察は違法行為なしとするのだから、この国は政治家の違法を本気で粗を探す気はないのだろう。
例文4.人生が退屈なので、粗を探す様に映画やドラマを鑑賞するのが唯一の趣味であり日課になってしまった。
例文5.職場の上司が大の苦手なので、いつかチャンスを来ると期待から粗を探す様に努めているが、一度睨まれただけで、探し出した欠点の記憶が全て吹き飛ぶほど委縮してしまう小心者で嫌になる。
「粗を探す」を政治などにも使った例文となります。
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粗を探すの会話例
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この洋服、似合うかな? 素直に感想を言ってよ!
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うーん。似合うと言えば似合うし、人並みと言えば人並みすぎて平凡だし…。個性がまったくないけど、目立ちたくないなら最高に似合っているし…。まあ、自分が好きならいいんじゃない。
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相変わらず辛辣だなあ。俺は彼氏だよ。もっと褒めないとダメだよ!
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色がダメとかデザインがダメとか、具体的な粗を探すよりはマシでしょう。これでも愛情がある言い方だと思うよ。
彼女の方が立場が強い恋人同士の会話で、彼氏のファッションをダメ出しする様子です。
粗を探すの類義語
「粗を探す」の類義語には、「重箱の隅をつつく」「揚げ足取り」などの言葉が挙げられます。
粗を探すまとめ
「粗を探す」とは、人の問題点や欠点などを探し、またそれを指摘や非難して不快な気持ちにさせる事です。また直接しなくても、有名人の欠点などをネットに書き込んだり、映画や漫画などの作品も同様に欠点やダメな点などを探して非難する行為も「粗を探す」となります。近年はネット書き込みなどで、この様な行為がエスカレートしていてファンやアンチの争いが絶えなくなっています。これも現代ならではのストレス発散行為とも見て取れますが、それだけストレスを抱える人が増えているのでしょう。