紳士協定(Gentleman's agreement)
紳士協定(しんしきょうてい)は何となく理解しているつもりの言葉ではないですか? かく言う私も、恥ずかしながら誤解をして覚えていた一人です。私は、個人間などの口約束程度のものを意味すると思っていたのですが、実際には国家間などでも相手(国)を信用して結ぶ、重い意味があります。この事を踏まえて、より詳しい解説を展開させて頂きます。
紳士協定の意味とは
「紳士協定」の意味は以下の通りとなります。
(1)国家や団体や個人間などで、公式な手続きがなく、互いに信用して結ぶ。
(2)法律的な履行義務が伴わない、相手を信頼した合意の元による約束事。
(3)非公式の国際協定など。
当事者や相互間の信用関係のみで成り立つ約束が「紳士協定」です。法的な効力が伴わないので、それが国家間や個人同士でもまったくの口約束であり、時には破られてしまう事は多々あります。例えば、経済や投資、政治の世界などは大げさに言うなら紳士協定が履行されなくても驚きません。また、トランプ大統領が約束を何度も反故にするのも、公式な手続きなどが仮になかったとするなら、「紳士協定」を破った事になります。
紳士協定の由来
「紳士協定」について、詳細や語源などは残念ながら不明のままです。繰り返しになりますが、「紳士協定」は法律的な効力がなく、国家間でも非公式(扱い)となるので、その歴史を遡るのが難しくなっています。その一方、殆ど同じ意味となる「紳士協約」となると、1907年にアメリカと交わした対米移民の制限に関する「日米紳士協約」があります。
紳士協定の文章・例文
例文1.アメリカと北朝鮮が、裏で紳士協定を結んでいると思うのは、私だけではないはずだ。
例文2.スポーツで紳士協定を破った最も有名なのは、F1のアイルトンセナだろう。
例文3.親友同士で好きな女性が同じになったので、紳士協定を結んだ。
例文4.紳士協定は談合にも近い意味があると思うが、どうだろう。
例文5.紳士協定を知るには、映画「紳士協定」を観るのもおすすめ。
以上の様な使い方がありますが、実際には限られたケースばかりで、あまり使い勝手が良い言葉ではないですね。
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紳士協定の会話例
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紳士協定って口約束って事だよね。
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そうだね。お互いが合意しての口約束だね。
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個人同士の些細な約束なら、破っても大事にならないでしょう。でも、国家間で口約束の紳士協定をするのが、どうも納得できない。そんな軽い約束ってあるの?
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その通りなんだけど…。例えば、国家間でも片方が大国で、片方は弱小国の場合は、紳士協定が結べただけでも御の字なんじゃないかな。また、次に繋がる一歩として、将来的な良い関係性を築く為に、今は紳士協定でも我慢する、といった背景かな!
国家間の「紳士協定」についての会話内容です。
紳士協定の類義語
「紳士協定」の類義語には、「秘密協定」「紳士協約」「不文律」「暗黙の了解」などの言葉が挙げられます。
紳士協定まとめ
信頼関係で結んだ取り決めや約束事が「紳士協定」となります。”暗黙のルール”とも非常に近い意味があり、結んだ間柄が大きいほど、より密な関係で長年の慣習となっているほど、それが破られた時の影響力が広がります。