紺碧(こんぺき)
「紺碧」とは「濃い青色や黒味を帯びた紺色にも見える色」です。夏の海や空で頻繁に使われる表現で、その何とも言えない独特の色合いを単純に濃い青とするよりも、「紺碧」とする事でより深みや趣が感じられるのです。もちろん表現の違いなので濃い青としても問題ありませんが、「紺碧」を使う事で濃い青以外には何もないとも受け止められるのです。否、正確には「紺碧」によって他のものは景色にあまり入ってこないのでしょう。それぐらい強烈な色「紺碧」についての解説となります。
紺碧の意味とは
「紺碧」の意味は以下の通りとなります。
(1)黒みを帯びた紺色。
(2)藍がかった濃い青色。暗い青や濃い青色。
(3)美しい海や夜景などで用いる表現。
”紺”は「紫を帯びた濃い青色」「濃い藍色」、”碧”は「深い青色」「青緑色」で、合わせた「紺碧」は上記の様な意味となります。色とは光の反射によって見え方が変わってくるので、例え同じ景色を眺めたとしても位置や時間帯などによって変わってきます。まったく同じ海でもある人が眺めて「青い海」としても、別の人は「紺碧の海」と表現するものなのです。また、当然ながら当人の感情によっても違ってくるので、楽しい気分だったら素直に「青い海」、感傷的であったりメランコリックな気分なら「紺碧の海」ともなりがちです。さらに深掘りするなら、「青い海」とすると透き通るような海や水色がかった海、また白い波などもセットな感覚がありますが、「紺碧の海」は濃い青でありコバルトブルーや紺など黒っぽくも見える青さではないでしょうか。個人的には同じ綺麗な海でも、透明で海の底が見えてしまうのが「青い海」、逆に綺麗でも紺や濃い青のような景色を「紺碧の海」とするのが相応しいと思います。因みに、「紺碧」という表現は沖縄など南国ほど相応しく、北海道など寒い地は気象条件から空も海もそんな色には成り難いと言われています。よって、空の場合も同様で、同じ夏の空でも太陽に白い雲があると「青い空」、真っ青で雲一つないのが「紺碧の空」と表現します。
紺碧の由来
「紺碧」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、江戸時代後期の絶対主義的思想家・佐藤信淵の「経済要録」(1827年)の三巻などに文言が記されています。
紺碧の文章・例文
例文1.失恋ショックで海を眺めていたら、時間が経つのも忘れ気が付いたらすっかり紺碧に染まっていた。
例文2.紺碧の空の下でもう一度だけ頑張ると決意した。
例文3.趣味が旅行なので全国各地を旅したが、沖縄で見た紺碧の海はとても素晴らしく、今でも鮮明に覚えている。
例文4.宇宙からなら地球も紺碧に見えるのだろう。
例文5.実家の両親から野菜などが送られてくると、地元の紺碧の海や空を思い出して目頭が熱くなる。
海や空を「紺碧」とした例文となります。
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紺碧の会話例
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どうしたの? 俺の顔をじっと見て!
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改まって見ると、良い顔をしているなと思って。私の夫選びに間違いはなかったと思ったの。
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朝から冗談はやめてくれよ。それより、今日はちょっと調子が悪くて。顔色悪くないかな?
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本当に真っ青よ。まるで紺碧みたいに…、って冗談。大丈夫、いつも通りの良い顔色よ。
朝から仲睦まじい夫婦の会話やり取りです。
紺碧の類義語
「紺碧」の類義語には、「瑠璃色」「淡青」「群青」「インディゴ」などの言葉が挙げられます。
紺碧まとめ
「紺碧」とは黒っぽい青や紺などに限りなく近い色の事です。通常の青よりも濃く、そこから「紺碧の海」や「紺碧の空」と表現される言葉で、「紺碧」とすると波が立っていない真っ青な海、太陽や雲がない真っ青な空を想像できます。