終身雇用(しゅうしんこよう)
終身雇用とは、日本の高度経済成長を象徴する言葉として、長年定着してきた言葉ですが、最近はどちらかと言うとネガティブな表現として使われる頻度が多くなっています。NHKのニュースなどでも、冒頭で「終身雇用制度が崩壊して何年も経過しますが…」とあいさつする事もあり、またそれがおかしく聞こえません。終身雇用とは、ある企業に正社員で就職すれば、定年まで働き上げられるシステムですが、現在はどのような意味合いがあり、また由来や歴史的なものを調査してみました。
終身雇用の意味とは
終身雇用(しゅうしんこよう)とは、読んで字の如く「終身まで雇用して貰える」システムが出来上がっている社会情勢となります。
バブル経済の崩壊前はこれが定着していて、一度企業に就職すれば、倒産など不測の事態が発生しない限りは、定年まではそこで勤められます。日本の正社員雇用として普通の事であり、ですからその安定感から結婚に踏み切れたり、マイホームや車などの高額な買い物をローン購入できる安心感が、社会全体に広がっていたのです。
しかし、現在は終身雇用の制度そのものが崩壊しつつあります。バブル崩壊も要因ではありますが、多様な働き方を認める方向に社会全体がシフトして、結果として企業側は人材が欲しい時だけ集める方が人件費を抑えるなどのメリットがあるからです。ですが、現在の日本はさらに行き詰まってしまい、今度はその人材確保が難しくなっています。外食やサービス業など過酷とされる仕事では、常に人手不足が常態化して、これも終身雇用が崩壊した弊害が出始めています。
終身雇用の由来
終身雇用制度の始まりとされるのは、大正時代末期からとされます。1900年代は、熟練工などの離職率が高く問題視され、そこで年金や年功序列、定年まで働ける安心感を労働者に与えて人材確保に励んだ。その後は、一時期は再び終身雇用制度が弱体化するが、1950年代や1970年代からの景気回復によって、終身雇用を謳って企業も人材確保するのが日常的な事となった。世界に目を向けると、アメリカのIBMは以前は終身雇用制度を導入していたが、1990年代に入ると業績不振から見直しが迫られた。それが、ベンチャー企業やIT企業の多くに終身雇用を辞める発端となり、日本でもIT系などが終身雇用を未導入のイメージが強い理由の一つである。
終身雇用の文章・例文
例文1.日本の不景気は、終身雇用崩壊も心理的に関係している
例文2.終身雇用がなくなり、自由競争という名の激しい競争社会が待ち構えていた
例文3.公務員が人気なのは終身雇用制度がまだ残っているからだ
例文4.終身雇用が定着していた頃の日本は経済も強かった
例文5.終身雇用にはメリットとデメリットがある
現在の日本では終身雇用を求める若者が多く、それが起業するよりも公務員や大企業に就職する方を望んでいるのが実情です。このままでは国として、魅力がなくなると懸念もされるが、実際に生活をする事を考えると、その選択が無難であり致し方がない。
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終身雇用の会話例
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最近、人の入れ替わりが激しいと思わないか?なんだかそれを見ていると気が気でないんだが…。
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そうね。確かに最近異動が多いわね。
でも、良い人材なら終身雇用までいてほしいから、それ以外は用済みってことかしら。 -
こわっ。そうなのかな…なんだか評価とか気にしてなかったから、気にしたほうがいいのかな。
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あなたは気にしなさすぎなのよ。
異動される人々を見て、自分の身の振り方を考える話でした。
終身雇用の類義語
終身雇用の類義語には、「長期雇用」「年功序列」などの言葉が挙げられます。
終身雇用まとめ
一度雇用されると、不測の事態に陥らない限りは、定年まで雇用するシステムが「終身雇用」です。現在の日本では、確実に実施しているのは公務員や大企業ぐらいですが、その安定を求める若者は後を絶たないのですが、国力の低下を招くのでという懸念もあります。