絵空事(えそらごと)
日本語を紐解いていくと、思いもよらぬ発見が溢れてくることがあります。「絵空事」も書き留めておきたい、言葉のひとつ。間違って使われることの多い絵空事ですが、正しい意味はどのような内容なのでしょうか。言葉の玉手箱を開けていきましょう。
絵空事の意味とは
絵空事【えそらごと】とは、本当には無いもの・空想の世界でしか、あり得ないものを示しています。良い部分ばかりを大袈裟にアピールした、本来の姿とはかけ離れているもの…を伝えています。嘘が散りばめられた話、大げさな宣伝などに使われます。
絵空事の由来
絵空事とは鎌倉時代に編纂された「古今著聞集」という古典に由来しています。学者の橘成季によって書かれた説話集で、この中には絵空事にまつわる記載があります。描いた絵があまりにも美しく事実とかけ離れていることから付いた言葉で、大袈裟で滑稽な様子をあらわした表現です。
絵空事の文章・例文
例文1.宇宙エレベーターが建設される?絵空事だな。
例文2.首相の演説は、いつも絵空事ばかりだ。
例文3.絵空事ばかり語っていると、信用されなくなるよ。
例文4.絵空事のようだった事業計画書が、遂に日の目を浴びたな。
例文5.絵空事を並べられ、ついに契約書にサインしてしまった。
アリのように小さな生き物も、大袈裟な脚色を付けると「象のように大きな生き物」に映ることがあります。色々な情報が流れる中、私たち消費者1人1人が真実を見極める目をもつことも必要なのかもしれません。
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絵空事の会話例
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田舎のおばあちゃんが、振り込め詐欺に遭ったって本当なの?
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50万円を騙されてしまったそうよ。
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あんな利発なおばあちゃんが騙されるなんて、よっぽどね。
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犯人が言葉巧みに絵空事を並べたそうよ。用心しなくちゃね。
振り込め詐欺の被害にあった、おばあちゃんの娘と孫が会話しています。あまりにも出来過ぎた話だと思ったら、絵空事かもしれない…と家族に相談する気持ちも必要かもしれません。
絵空事の類義語
絵空事の類義語として「画餅」「絵に描いた餅」「空理空論」「砂上の楼閣」「誇大妄想」などがあります。
絵空事まとめ
実際には大したことがなくても、話が美化されていくうちに、真実とかけ離れてしまう事があります。絵空事には美しく書かれた絵のように「脚色されている様子」を述べた言葉です。絵に描いた餅と言われないように、誠実な行いを目指したいものです。