聖人君子(せいじんくんし)
「聖人君子」は、本当に素晴らしい人物に対して冗談などで使う事がありますよね。でも、実際の意味は宗教に関係あるのでは程度の知識しか持ち合わせていないものです。真面目な人や正直な人などに深く考えず使っているので、本来の意味や使い方などを詳しく調べてみました。
聖人君子の意味とは
「聖人君子」の意味は以下の通りとなります。
(1)人徳・知識・教養を身に付け高潔で理想的な人物。非の打ちどころのない性格で知識や教養に優れる。
(2)「聖人」は最高の人格を備えた人、「君子」は学識や人格の優れた人で、二つを合わせて「聖人君子」となる。
「聖人君子」とは完全無欠で理想的な人という意味になります。知識や教養があるだけでなく、慈悲心も持ち合わせているので、その内面の素晴らしさから理想的な人物とされます。「聖人」(しょうにん)には、徳の高い僧という意味もあるので、本来は聖職者に対して使うのが望ましいのではないでしょうか。現在は冗談や喩えとしては使えますが、本来の意味での「聖人君子」に相応しい人を探すのは難しいですよね。それぐらい、最高の人格者のみに相応しい言葉です。
聖人君子の由来
「聖人」という言葉は、儒教・仏教・キリスト教さらにはイスラム教やユダヤ教などでも用いられます。それぞれの宗教で微妙に違いはありますが、偉大であったり崇高であるのが基本です。人々から尊敬される人物が「聖人」に該当しますが、先ほどの宗教の分派では聖人を否定するケースもあります。「聖人君子」となると、中国が発祥で儒教的な思想から誕生した言葉と認知されています。「聖人」は最高の人格者であり理想的な人物で、「君子」は学歴や人格もある人物、この二つを合わせた「聖人君子」が日本にも広まりました。俗説も付け足すなら、日本では儒教よりも仏教社会です。仏教では「聖人」を「しょうにん」と読む場合が多くあり、そこには「聖人君子」から「聖人」だけを独自の解釈で反映させた様相があるからです。
聖人君子の文章・例文
例文1.近所の高校生は毎日新聞配達をして、会った時にはしっかりあいさつをする。今時珍しい聖人君子のような好青年だ。
例文2.お坊さんは檀家信者から聖人君子とも呼ばれるが、その中には幼稚園や墓ビジネスに熱心で高級外車を乗り回す不届き坊主も多い。
例文3.聖人君子のような人に政治家や公務員になってもらいたいが、それは儚い幻でまず不可能だ。
例文4.聖人君子に憧れ、聖書や宗教本を読むと心が落ち着くようになった。
例文5.あらゆる欲求から解放されれば、聖人君子に一歩近付くだろう。
「聖人君子」を普通に解釈したもの、少し斜めから皮肉った例文です。
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聖人君子の会話例
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昔子供の頃、「将来の夢は何?」って教師に聞かれて。
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何て答えたの?
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聖人君子!って言ったら、クラス中がシーンとして。小学生だったから意味が分からなかったんだね。
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大人になってから、チャラい人がそう言う方が盛り上がるかも知れないね。でも、聖人君子みたいな素晴らしい人と結婚したいけどな。
子供の頃、将来の夢で「聖人君子」と答えたら、まったくウケなかったという会話です。
聖人君子の類義語
「聖人君子」の類義語には、「聖人賢者」「雲中白鶴」などの言葉が挙げられます。
聖人君子まとめ
「聖人君子」は、人徳・知識・教養を身に付け高潔で理想的な人物という意味です。起源とされる中国では偉大な僧侶などに使われる言葉で、現代では真面目で素晴らしい人に対して使う事もありますが、それは冗談など軽い意味とする範疇です。本来の意味では、お坊さんなど聖職者に使うのが望ましいほど、重みがある特別な言葉です。