職権濫用(しょっけんらんよう)
職権濫用とは、主に公務員が職務に認められた権限を自らの利益の為に用いる事です。職権濫用については、別の書き方としては「職権乱用」と書く事もありますが、この場合は公務員以外の事を指すケースで使われる事が多い為、その使い分けについても説明をしていきます。今回は職権濫用について、意味や由来、例文、類義語などを交えて、わかりやすく解説をしています。
職権濫用の意味とは
職権濫用の意味とは、職務において認められている権限を正しく執行せずに自らの利益の為に使う事です。
また刑法193条において「公務員職権濫用罪」が汚職の罪に含まれると規定されており、それにより公務員に対しては「職権濫用」、それ以外の場合は「職権乱用」と使い分けをするのが慣習となっています。
職権濫用の由来
職権濫用の由来は、それぞれの言葉をわけて考えていく必要があります。「職権」は職務遂行の上での権限の事を指し、「濫用」はみだりに用いる事を指す言葉です。つまりこの2つを合わせる事でみだりに職務遂行の為の権限を私的に使うという意味になります。
職権濫用の文章・例文
例文1.職権濫用で過去に逮捕された事案もあり、十分自身の職権への留意が必要だ。
例文2.公の立場にある人間はその地位と持ちうる職権に留意して、職権濫用とならぬ様な配慮がいる。
例文3.職権濫用をする事は刑法193条に違反している為、逮捕される可能性もある。
例文4.職権濫用をした事が発覚すると、社会から批判を浴びたり、信用の失墜につながる。
例文5.収賄などは職権濫用の最たるものであり、批判が集まるのも仕方がない。
職権濫用については、社会の公僕の人の姿勢が問われるのではないでしょうか。
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職権濫用の会話例
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政治家の大きな収賄疑惑も職権濫用と言えるよね、自分たちで選んだとはいえ悲しくなるね。
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日本や地域をよくしたいという志ではなく、自らの利益の為に動いているってことだからね。
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青雲の志を持ってほしいとまでは言わないけど、社会に奉仕する立場として身を律してほしいね。
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本当に最近は情けないニュースが多くて、政治家への信頼は失墜しているよ。
職権濫用をして、政治不信を招いている政治家についての会話文になります。政治家は公務員ではありませんが、公の立場にありますので、職権乱用ではなく、職権濫用が正しいと言えるでしょう。
職権濫用の類義語
職権濫用の類義語としては、「職権乱用」「背信行為」などがあげられます。
職権濫用まとめ
職権濫用は刑法により、公務員やそれに準ずる立場の人に使われる事が多く、職権乱用はそれ以外の立場の人に使われる言葉です。その使い分けは正しく理解をしておきましょう。また公務員に限らず、自分の立場や地位を利用して、自分が不当な利益を享受したり、利益が不当に守られる事は本来あってはならない事です。既得権益の中で生きているとそれが当たり前になってしまいますから、常に自分を律して、社会的に正しい行いを心がけていきたいですね。