胸積り(むなづもり)
「胸積り」は聞きなれない言葉ですが、意味が分かりますか? 胸詰まりなど病気や症状の一つだと連想してしまいますよね。しかし、実は「胸算用」などと同じ意味を持つ言葉なのです。それなら同じ言葉を使った方が分かりやすいものですが、数多くの表現パターンがあるのも日本語の良さですよね。では、詳しい解説を始めさせて頂きます。
胸積りの意味とは
「胸積り」の意味は以下の通りとなります。
(1)心の中で見積もりを立てる。
(2)声を出さず、頭で売上など金銭の損得勘定をしてしまう。
(3)「胸算用」「胸算」「心算」「胸勘定」「皮算用」などが同義扱いとなる。
要するに、声を出さずに心の中で見積もりを立てたり金銭計算をする事で、その中には売上や利益がどれぐらいかと損得勘定を済ませてしまう行為です。昔の人だけでなく今でも、誰もがやってしまうクセのようなものですよね。同義となる”胸算用”の場合は、営業マンが相手会社との交渉で、「この製品が3台売れたと胸算用したら、○円になるな!」などの使い方がされるので、今回はその”胸算用”の代わりに「胸積もり」となるのです。この様な使い方で、”胸算用”がいちばん有名ですししっくりきますが、「胸積もり」も同じ表現法として使えます。
胸積りの由来
「胸積り」の由来は、残念ながら詳しく分かっていません。”胸”には心臓があるので、心を表現する際にも用いられていました。また、”積り”は意図や心組み、見積もり、予想などの意味があり、これらを合わせたと推測できます。しかし、「胸算用」や「胸勘定」の方が昔からあったとされる言葉なので、そこから”胸”と”見積もり”を合わせて誕生したようです。
胸積りの文章・例文
例文1.海外FXで何億も儲けたと胸積りの夢を膨らませたが、その後に税金計算をして項垂れた。
例文2.給料日になると何を買おうか考えるが、クレジット返済もあるので、胸積りをする期待も委縮する。
例文3.今月は営業成績トップだったので、飲み屋で胸積りをしてガッツポーズをした。
例文4.お年玉の予想が親戚全員の合計が3万円突破しそうなので、胸積りで早くも嬉しくなった。
例文5.初の一人暮らしをひかえ、家電を揃えようと大型家電量販店に出掛けたら店員が色々勧めてきて、お金が足りるか冷や冷やしながら胸積りを何度も繰り返した。
儲け、税金、現金不足などの状況で「胸積り」を使った例文となります。
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胸積りの会話例
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今月は本当に仕事が忙しく、連日残業だったよね。
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本当よね。もう働くのがこりごりっていうぐらいに疲れたよ。
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でも、そうなると給料が期待できますよね。僕なんて、残業代がいくらになるかもう計算しているので、給料日が待ち遠しいです。
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大人しそうな顔をしているのに、そんな計算は早いのね。仕事中も、黙っていながら、頭の中で残業代の胸積もりをずっとしていたんでしょう!
残業代の「胸積り」について、同僚の男女が会話をしています。
胸積りの類義語
「胸積り」の類義語には、「胸算用」「皮算用」「胸算」などの言葉が挙げられます。
胸積りまとめ
「胸積り」は心の中で見積もりを立てたり、損得の計算を胸の中でしてしまう事です。金額の大小や仕事など問わず、大人なら誰もが日常的にこんな事を遂してしまいますよね。「胸算用」や「皮算用」とも同義で使われ方も同じなので、状況に応じて変えてみてはどうでしょうか。