臥竜(がりょう)
「臥竜」とは「能力や才能ある竜が横になって活躍していない姿から、能力は抜群にあるのに今は世の中に知られていない人物の喩え」です。世の中は残酷なので、どんなに才能を秘めていても誰かが発掘したり、自らチャンスを掴まないと一生凡人として人生を歩むしかありません。だから才能があっても大成する事は叶わず終わっていく人が大半ですよね。そんな事を考えさせられる「臥竜」の解説となります。
臥竜の意味とは
「臥竜」の意味は以下の通りとなります。
(1)優れた能力を持ちながらも世の中に知れ渡っていない人物の事。また、将来飛躍する若者やいずれ大物になる人物などの喩え。
(2)横に臥せてうずくまっている竜。竜が伏せた状態。
(3)「臥龍」とも書き同義。
「臥竜」は文字通りに「伏せた状態の竜」で、どんなに天にも昇れるほどの能力があっても横になっている状態ではその力を世間に知らしめるには至っていないとして、まだ世の中に知られていない大人物や才能豊かな若者の喩えとなります。逆に言うなら、これから世に羽ばたき大物になるであろう人物などに対して用いたり、或いはまだチャンスを掴んでいないだけといった場合の表現にもなります。四字熟語でも同義として「臥竜鳳雛」や「伏竜鳳雛」などがあり、また将棋の駒や中国四川省の地名にもなっている事から、大勢から親しまれ認知されている言葉であるのは間違いありません。
臥竜の由来
「臥竜」の由来は古代中国・三国時代の歴史書「三国志」の「諸葛亮伝」からで、天に昇れる能力を持ちながらも横になっている竜の姿から、どんなに優れていても世に知られていない事は多いとして誕生した言葉です。
臥竜の文章・例文
例文1.授業中いつも寝てばかりで何に対してもあまりやる気を見せなかった友人が将来あんな大物になるとは、この頃は正に臥竜な状態だったのだろう。
例文2.野球やサッカーのプロチームが新人を青田買いするのは、臥竜であると期待からの先行投資だ。
例文3.田舎でうずくまっていたらどんなに優秀でも世に知られず臥竜で終わってしまうから、若者は僅かなチャンスを期待し上京するのだろう。
例文4.俺が生まれた時、父は「いずれ臥竜鳳雛となって世間から賞賛される」と喜んでいたようだが、今や大学も中退し部屋に籠ってコンビニにも行かなくなった単なる無職で申し訳ない。
例文5.ネットが発達してニッチな才能ある者も動画やSNSでアピールし、臥竜で終わらなくなっている時代に突入した。
「臥竜」を使った例文となります。
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臥竜の会話例
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頼む。俺と東京に行ってくれないか。
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東京…。いきなり言われても、頭が混乱して。
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だけど、このまま地元に残っていても、コンビニバイトか工場派遣か飲食店ぐらいしか働くところがない。それじゃあ、どんなに才能豊かな俺とお前も臥竜でしかなく、誰も気付いてくれない。
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えっ、私とあなたに何か才能ってあったの?
上京して何かを成し遂げたいと思う若者の会話内容です。
臥竜の類義語
「臥竜」の類義語には「伏竜」「潜竜」「猛虎伏草」「孔明臥竜」「駿馬伏櫪」などの言葉が挙げられます。
臥竜の対義語
「臥竜」の対義語には「才能開花」「花開く」「麒麟児」などの言葉が挙げられます。
臥竜まとめ
優れた人物である英雄がまだ世の中に出ていないのが「臥竜」です。竜が横に臥せている状態から誕生した言葉で、逆に言うならいずれは世に出て活躍をするのは間違いないが今はまだ若かったり本人にその気がないだけだが、その能力は間違いなく高いので将来を飛躍すると願望めいた言葉となっています。