自嘲(じちょう)
「自嘲」は有名な言葉ですし、若い時は知らなくても大人になれば常識として理解しています。しかし、日常的に使う言葉ではないですし、自ら発する事もあまりないですよね。特に自尊心やプライドが高い人にとっては、最も縁遠い言葉でもあります。そんな「自嘲」について詳しく調べてみました。
自嘲の意味とは
「自嘲」の意味は以下の通りとなります。
(1)自らの欠点などをあざけり笑う。自分が詰まらぬ者で他人より劣っていると感じる。
(2)自分自身を軽蔑する。自分はダメな人間だと思う。
自分自身を軽蔑するのが「自嘲」で、「俺はダメな奴なんだー」と情けないように笑う態度といったところです。本来ならダメな部分が分かっているなら改善すれば良いのですが、それが出来ない。だから、自分はダメな人間なんだとする考え、思い込み、感情となります。しかし、「自嘲」の少し難しい点は、本当は他人よりも能力が高くても、自己評価が低い場合だけの場合もあります。また、他人の懐に入る手段として敢えて「自嘲」を演じて、本心は真逆となるケースも多いです。コミュニケーションとして、自分を低く見せる方が、相手が共感してくれる、角が立たないので無難になれるという役目もあります。
自嘲の由来
中国語の「自嘲」が日本に入り広まったと推測できますが、具体的な年代などは不明です。文献としては、江戸時代後期の漢詩文集「孔雀楼文集」の「春日早行」に「自嘲」を使った一文が残されています。
自嘲の文章・例文
例文1.仕事でミスの連続をして、その日は憂さ晴らしと無理やり後輩を飲みに連れていったが、こんな事をするからダメなんだと自嘲しさらに落ち込んでしまった。
例文2.大人になっても恋人の一人も出来ないと、自嘲するのが普段の兄の姿だ。
例文3.家族全員が自嘲気味な性格なので、とにかく暗く重苦しい雰囲気がリビングや家中に充満している。
例文4.幼少期から大人になった今まで、何も良い事がないので、それは性格も自嘲や卑下になると、腐れ縁の友人が吐露した。
例文5.自嘲な性格は日本人に特に多いと思う。この重苦しい社会や閉塞感は、南米や北欧にはない文化だろう。
「自嘲」は自らを軽蔑する意味なので、重苦しい例文となります。
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自嘲の会話例
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俺って、そんなにダメなんですかー?
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いきなり言われても、意味が分からないよ!
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仕事でミスをしたら、上司にかなりきつく注意され…。家に着いたら、だんだん落ち込んできて、俺って取るに足らない男なんだなと。
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ずいぶん自嘲しているね。そんなに落ち込んでショックだったら、上司をパワハラで訴えるぐらいの気概を見せないと、世の中渡っていけないよ。
上司に注意され、自嘲気味な彼氏に対して、元気を出してと励ます彼女との会話です。
自嘲の類義語
「自嘲」の類義語には、「自虐」「自己嫌悪」などの言葉が挙げられます。
自嘲まとめ
「自嘲」とは、自分自身をダメな人だと思う事で、自らを軽蔑する気持ちや感情となります。他人よりも劣るダメな奴と思うので、前向きな態度とは言えませんが、現代人は「自嘲気味」な人が多いのも事実です。また、敢えて「自嘲」な姿を見せて、円滑に人間関係を築こうとするコミュニケーションの手段とする場合もあります。