自宅警備員(じたくけいびいん)
世の中にも様々な職業がありますが、最も特殊と言って差し支えないのが「自宅警備員」です。
おそらく、年代によって聞こえ方が大きく変わる言葉でしょう。今の時代、若い人が自宅警備員という言葉を聞いたら、「楽そうでいいな」と思ってしまう人が多いかもしれませんね。
この言葉はネットで使われている隠語(ネットスラング)で、職業の分類ではありません。
この記事では、自宅警備員という言葉について解説します。
自宅警備員の意味
自宅警備員とは、「家に引きこもったり、ニート生活をしている人」のことを指すネット用語です。
外に仕事に行くわけでもない、かといって家で生産的なことをしているわけでもなく、ゲームをしたり寝てばかりいたり・・・。社会で生きるために必要とされる人間関係をできる限り遮断して生活をしている人を揶揄するように使われる言葉です。
当然ですが、そのような職業があるわけではありません。自宅警備員になったからといって、給料は何も支給されないので、憧れている人は気を付けましょう。
自宅警備員の由来
ネットで使われ始めた正確な時期は分かりませんが、おそらくは2000年代後半からではないか?という意見があります。
第三者の立場から「自宅警備員」と揶揄するだけでなく、自分が定職についていないことを「自分は自宅警備員に就職したんだ」というように、さも社会とかかわっているかのようにユーモアや照れ隠し、恥の意識をもって言い換えるように使われています。
自宅警備員の文章・例文
例文1.うちの弟がいい年して自宅警備員から退職しようとしない
例文2.前の仕事を退職してから、半年間は自宅警備員をやってみたが、とても長続きするものではない
例文3.親からは「いつから就職するんだ」と言われ続けたが、こちらだって自宅警備員としてやることがたくさんあるんだ
例文4.自宅警備員を名乗るのであれば、せめて家事の1つか2つはしてほしい
例文5.自宅警備員はソーシャルゲーム界では最前線で戦うヒーローだ
上記のように使います。単純にニートと呼ばないところに、自宅警備員という言葉の持つ微妙なユーモアや悲哀を感じますね。
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自宅警備員の会話例
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パソコンが壊れた。ずっと使ってたからがたが来たんだ。今日にでも新しいパソコンを買いに行かないと、夜のゲームのイベントに間に合わないよ。
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へえ、そうなの。新しいパソコンはいくらくらいするの?
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本当なら10万以上するやつを買いたいけど、中古で我慢しようかな。2万くらいの。
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そうなのね。あなたの自宅警備員の収入で、買ったら?私はお金、出さないわよ。
家に引きこもっている息子と母親のやり取りです。母親はユーモアを使って言っていますが、しっかり境界線を引いていますね。
自宅警備員の類義語
自宅警備員の類義語としては「ニート」が挙げられます。狭義ではニートは15歳~34歳までのうち、通学・通勤を行っていない非労働力人口を指す言葉です。自宅警備員は年齢の制限なく使える言葉なので、やや意味合いは違ってきます。
また、「スーパーニート」は実際に家でネットを通じて生計を立てている人のことを指すので、全く違う言葉になります。
自宅警備員まとめ
日本が豊かになるにつれ、インターネットが発達し、さもそこにリアルな人間関係を感じられるような時代になりました。同時に、そこ逃げ場を感じる人も多く生まれるようになりました。
重要なのは、親が子供たちにしっかりかかわり、一対一の人間関係を恐れない人格を育て上げることです。そのような世代が育ってくれば、ネットを活用しつつも、自宅警備員ではなく生産的な労働に従事するようになるでしょう。