自暴自棄(じぼうじき)
｢自暴自棄｣とは｢失敗や不運が続き人生に絶望して、全てがどうでも良いとヤケクソな行動を取る事｣です。昨今流行っている若い世代の犯罪や迷惑行為などは、もしかしたら将来に悲観した｢自暴自棄｣からの行動かも知れませんよね。だからと言って犯罪行為が許される訳ではないですが、恵まれた環境で育った人には絶対に理解できない苦しい立場の人々が年々増加しているのは間違いなく、それが過激な行動に走らせる要因とも思えなくもありません。
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自暴自棄の意味とは
｢自暴自棄｣の意味は以下の通りとなります。
(1)物事で自分の思い通りにならない事が続き、遂には将来を悲観してヤケクソ的な行動を取ってしまう事。
(2)不運や失敗が多く続き最終的にはやる気・希望・自信などを無くして、自分だけでなく相手の事もどうでも良いと思う事。
(3)失望などから投げやりな行動を続け自分を駄目にして、周囲にも迷惑をかけてしまう姿。
”自暴”は｢自分自身を粗末にする｣｢自分の身を自ら損なう｣、”自棄”は｢自分自身に失望して捨て鉢になる｣｢ヤケを起こす｣｢どうにでもなれという気持ちから乱暴な振る舞いを取る｣で、自分自身を駄目にする行動を取るのが｢自暴自棄｣です。これは様々な要因が考えられますが、悪いことが続いたり思い通りにならないともう何もかもがどうでも良くなって投げやりな態度や行動に走ってしまうのです。ですから、例えばお酒に溺れたり借金を重ねたり、さらには犯罪や薬物などに走るのも｢自暴自棄｣が故の行動と言えるでしょう。一方、近年は精神的な問題とみなされる事も増えて、要は誰しもがちょっとした出来事が切っ掛けで｢自暴自棄｣になるのは容易にあり得るとされています。生まれ育った環境や本人の性格・性質などがあり、そこに社会に対する不満や希望を失う事が起これば｢自暴自棄｣になってしまうのも珍しくなく、だからこそカウンセラーなど周囲に助けを求めやすい環境づくりが大事になるようです。
自暴自棄の由来
｢自暴自棄｣の由来は古代中国・戦国時代の思想家・孟子の書物｢離婁｣になります。また文献としては、近代日本の小説家・志賀直哉の著書｢暗夜行路｣などに文言が記されています。
自暴自棄の文章・例文
例文1.転職3日目で年下上司から1時間以上のパワハラ説教を受けて、元々精神的に弱い部分もあったが耐えきれず自暴自棄になってしまい、その上司のスマホを叩き壊し机をひっくり返して退職してやりたかったが、本当は泣きながら逃げ出した。
例文2.これだけ物価や税金が上がり生活が苦しくても自暴自棄にならず、少ない小遣いで仕事を頑張り家族の為にとマイホームのローンを支払い続ける中年男性は実に素晴らしいが、人生の終わりを迎える頃には立ち上がり反逆する事を恐れただけの何もない男だと後悔するだろう。
例文3.ワクチン接種を3回決めて、マスク生活も3年間欠かさず着用し、不要不急の外出もしないで国のルールに従ったのに、罰金のような税金だけは年々高くなり、それでも美しい国や日本の未来を守ると政治家は二枚舌を使い倒し、もう自暴自棄になる気すら失せて一刻も早く誰もいない海の底に沈みたい。
例文4.競馬とパチンコに全財産を奪われた後、自暴自棄になって思わず自宅アパートの部屋の壁を叩いたら隣に住む半グレ構成員のような男から玄関を執拗に叩かれ、一気に現実世界に引き戻された。
例文5.学生時代はテスト成績が悪いぐらいで自暴自棄になったが、大人になったら上司からどんだけ注意されようが、結婚相談所から外見や話し方にダメ出しをされた挙句、勘違い中年おばさんからフラれようがまったく平気になってしまった。
｢自暴自棄｣を使った例文となります。
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自暴自棄の会話例
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昨日体重計に乗ったら、また体重が増えていたよ。
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ちょっとヤバくないですか。去年も結構太って、今年も体重が増え続けているんですよね？ もしかして自暴自棄？
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そんなんじゃないよ。ただ、週末などに大盛ラーメン油たっぷりで煮卵と餃子のセットを毎回食べていたら、どんどん体重が増えていって。今では彦摩呂の弟って呼ばれているぐらいだよ。
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だから、そんな食生活を送っている事が自暴自棄な証拠ですよ。一度、カウンセリングを受けてみたらどうですか？
年々太ってしまい、同僚から｢自暴自棄｣と心配されるという会話内容です。
自暴自棄の類義語
｢自暴自棄｣の類義語には｢捨て鉢｣｢失意｣｢やけっぱち｣｢悲観｣｢投げやり｣｢八方破れ｣｢暴走｣｢ヒステリー｣などの言葉が挙げられます。
自暴自棄の対義語
｢自暴自棄｣の対義語には｢自重自愛｣｢楽観｣｢身を入れる｣｢真剣｣｢心血を注ぐ｣｢ひたむき｣などの言葉が挙げられます。
自暴自棄まとめ
目標や夢などを失って生きる希望が無くヤケになっている姿が｢自暴自棄｣です。もうどうなってもいいと悲観し、自分を大事にしないので周囲にも迷惑をかけてしまいます。そんな｢自暴自棄｣は精神的な問題とされ、失敗や不運が重なればちょっとした事が切っ掛けで誰しも陥ってしまう可能性があります。