良薬口に苦し(りょうやくくちににがし)
自分の為になるような忠告を素直に聞けずに後悔した、という経験がある方も多いのではないでしょうか。このように「ありがたい忠言ほど耳が痛い」という事をたとえたことわざに「良薬口に苦し」というものがあります。ここでは、この言葉にどのような意味や由来があり、どのように使う事出来るのかをご紹介します。
良薬口に苦しの意味とは
「本当に自分の為を思ってしてくれる忠告というのは、ありがたいけれども聞くのがつらい」という意味があります。 また「忠言や諫言は聞きにくいものだけれど、身の為になる」という事のたとえとしても使われます。
良薬口に苦しの由来
これは「江戸いろはがるた」の中にも登場していることわざです。よく効く薬は苦くて飲みづらいという意から、身の為になる忠言ほど聞きづらいものであるという事のたとえとして使用されるようになりました。また「孔子家語」にも孔子の言葉として「良薬は口に苦けれど病に利あり。忠言は耳に逆らえども行いに利あり(良薬は苦いけれど飲めば病気を治してくれ、忠言は聞きづらいけれど行動の為になる)」とあります。ちなみに「良薬口に苦し忠言耳に逆らう」というように続けて言う場合もあります。
良薬口に苦しの文章・例文
例文1.良薬口に苦しと言うように、両親の言葉は耳に痛いけれども自分のために言ってくれているのだと感じる
例文2.恩師はいつも自分達教え子のことを真剣に考えてくれたので、その分だけ言葉も厳しく聞こえた。良薬口に苦しと言うものだ
例文3.良薬口に苦しと言うし、自分のためになる忠告はたとえ耳が痛くてもきちんと聞いた方が良い
例文4.まさに良薬口に苦しで、自分をよく知る人からの的確なダメ出しというのはなかなか素直に聞き入れづらいものである
例文5.父の言う事はいつも良薬口に苦しで、図星だからこそ聞いていてつらかった
このように、この言葉は「聞いていてつらいけれども、本当は自分の為になるということをわかっている」ということの裏返しとも言えます。
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良薬口に苦しの会話例
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さっき先生に呼び出されて何を話していたの?
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最近成績が落ちてきたことについて話していたの。色々言われたけど、ぜんぶ図星だったから耳が痛かったよ。
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そうだったんだ。先生も心配してくれてるんだね。
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たしかに、進路への影響とかも考えてくれているから厳しく言ってくるんだよね。良薬口に苦しっていうのはこの事か…
この会話では「良薬口に苦し」という言葉を使っているので、注意された生徒側も、先生が自分のことを思って注意してくることをわかっているという事が伝わってきます。
良薬口に苦しの類義語
英語でも全く同じ意味の「A good medicine tastes bitter.(良薬は口に苦し)」という言葉があります。日本語での類語には「よい忠告は飲み込みづらい」や「忠言耳に逆らう」「金言耳に逆らう」「苦言は薬なり、甘言は病なり」「薬の灸は身に熱く、毒な酒は甘い」などがあります。
良薬口に苦しまとめ
いかがでしたか。自分で悪い部分を自覚しているからこそ、的確な注意を聞くのはよりつらく感じてしまうものです。そんな時はこのことわざを思い出せば、自分の為になるということを再認識し、素直に聞く事が出来るかも知れません。