藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす)
「藪をつついて蛇を出す」とは「不用意に藪を突いた事で蛇が出てしまう事から、余計な行動で悪い結果になる喩え」です。人とは失敗の連続でありその度に少しずつ賢くなるのですが、最近は誰しも手軽に情報を入手できるので失敗を極端に嫌う傾向があります。手堅く慎重に生きるからこそ、些細な失敗も「藪をつついて蛇を出した」と後悔をするのでしょう。でも、失敗から学ぶべき教訓もあるので、若い時は恐れずにやるべきとも老婆心ながら思ってもしまいます。
この記事の目次
藪をつついて蛇を出すの意味とは
「藪をつついて蛇を出す」の意味は以下の通りとなります。
(1)不必要な事をした挙句に災いを受ける喩え。
(2)藪の中を突くという無意味な事をしたあまり蛇を出してしまった事から、余計な事をして悪い結果になる喩えであり、また戒めとなる諺。
(3)略した「藪蛇」も同義。
”藪”は「草木や竹が生い茂る場所」から、蛇がいるのも知らずに藪を突いたところ実際に出現して困惑するのが「藪をつついて蛇を出す」です。不用意や安易な行動から悪い結果になる喩えとして「藪をつついて蛇を出す」や略して「藪蛇」として使われます。また、実際の行動だけでなく不用意な発言でも使用される事が多く、ちょっとした発言のつもりでも相手の逆鱗に触れたり機嫌を損ねると「藪をつついた」となります。ですから深掘りすると、こちらが意図せぬところで悪い結果になる事であり、完全なる裏目となって「藪をつついて蛇を出す」と失敗を悔やみ反省するのですが、その時はもう遅いのです。
藪をつついて蛇を出すの由来
「藪をつついて蛇を出す」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては江戸時代の和英辞典「和英語林集成」(1867年)などに文言が記されています。
藪をつついて蛇を出すの文章・例文
例文1.静かに話していた妻が急に怒り出し、他人からしたら藪をつついて蛇を出したように感じるだろうが、これは癇癪持ちの性格によるものでこうなると誰も止められない。
例文2.不甲斐無い活躍だったので記者から嫌味な質問をされると、選手は急に不機嫌になりまるでこちらが藪をつついて蛇を出したようだが、J2などの選手なら怒るような質問ではなく単に海外クラブに所属し何億も稼ぐようになると、動きのキレはないのに態度は天狗になると改めて思い知らされた。
例文3.頼まれていないが、これをやっておけば自分の株が上がると思って作業をしたら機械の調子が悪くなり、完全に藪をつついて蛇を出す事をやってしまったと反省したが後の祭りだ。
例文4.これが国民に為にと無意味な国葬や息子を秘書官にしたりと、やる事なす事が藪をつついて蛇を出すとなって支持率低下に繋がる認識がないのは一体どんな感覚なのだろう。
例文5.アンチを抑えようと会見を開くのは藪をつついて蛇を出す結果になると思わないのだから、カルトも金を搾取し過ぎて庶民感覚など持ち合わせていなかった。
「藪をつついて蛇を出す」を使った例文となります。
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藪をつついて蛇を出すの会話例
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昨日は機嫌が悪かったね。一体どうしたの?
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(同僚の)○○さんが私に不快な事を言うから…。
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まあ怒る気持ちも分かるけど、少しは冷静にならないと。きっと、○○さんも藪をつついて蛇を出したって、今頃は反省しているよ。
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さっきLINEギフトが届いて、ごめんねって謝ってきたからもう許します。ところで、このギフトを使って帰りにスタバでも行きませんか?
前日不機嫌だった同僚を諭す会話です。
藪をつついて蛇を出すの類義語
「藪をつついて蛇を出す」の類義語には、「寝た子を起こす」「平地に波瀾を起こす」「雉も鳴かずば撃たれまい」「逆作用」「逆効果」「裏目」などの言葉が挙げられます。
藪をつついて蛇を出すの対義語
「藪をつついて蛇を出す」の対義語には、「触らぬ神に祟りなし」「君子危うきに近寄らず」「危ない事は怪我のうち」「瓜田に履を納れず」「無用の神たたき」「当たらぬ蜂には刺されぬ」などの言葉が挙げられます。
藪をつついて蛇を出すまとめ
「藪をつついて蛇を出す」は藪を突いた事で蛇が出現する失敗から、余計な事をして悪い結果となる喩えです。気が緩んだり、或いは物事が上手くいっていると思わず余計な事をしがちですが、そんな時こそ実は気を引き締めるべきと教訓にもなるのが「藪をつついて蛇を出す」です。