虎の尾を踏む(とらのおをふむ)

中国発祥の故事成語の中には、とても簡単で言葉通りの意味の物から、複雑怪奇でまったく理解できない物まで実に多様です。今回の「虎の尾を踏む」(とらのおをふむ)は当然ながら前者で、言葉通りに「虎の尻尾を踏んでしまった危険な状態」の例えとなります。
では、詳しい意味や由来、例文などがどのようになるのか、まとめてみました。

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虎の尾を踏むの意味とは

非常に恐ろしい状態、非常な危険をこれから冒す、人を敢えて怒らすような例えとして、中国の故事成語には「虎の尾を踏む」という言葉があります。意味合いとしては、誤って尻尾を踏んだというより、意図的に自ら虎の尻尾を踏む行為であり、凶暴な虎と知っているのにそのような行為をする事から、”危険を顧みない行為”をする全般に対して、「虎の尾を踏む」という言葉が使われます。

虎の尾を踏むの由来

中国古代の書物「易経」の「履掛」に、「虎の尾を踏む」の語源とされる「虎尾を履む、人を咬まず」という一文があります。この一文は、虎の尻尾を踏めば、人は咬まれて当然でありその覚悟の持つべきと言った意味になります。

虎の尾を踏むの文章・例文

例文1.虎の尾を踏む覚悟で、空手道場に入門した。
例文2.酔っ払い同士がケンカをしていて、虎の尾を踏むと気合を入れて止めに入った。
例文3.若い時は向こう見ずな時があり、今に思うと虎の尾を踏むような身勝手な行動だった。
例文4.冬山の登山を嘗めてかかるのは、虎の尾を踏むものと周囲から言われても仕方がない。
例文5.虎の尾を踏む事を絶対にしないのが、人生におけるポリシーだ。

危険な状態に自ら突入する事なので、他にも似たような使い方はいくつもあります。しかし、日常生活で本当に危険な状態は滅多にないので、どれぐらいの例えで「虎の尾を踏む」を使うかは個人それぞれによって違ってきます。

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虎の尾を踏むの会話例

  • 質問者アイコン

    「虎の尾を踏む」って、今の平和な日本ではどんなケースで使うのが一般的なんだろうね?

  • 回答者アイコン

    ケンカを止めに入る際の例えで使われる事が多いけど、冷静にみると本来の意味である「非常に危険な状態」からは乖離があるよね。でも、今の日本ではケンカを止めに入るぐらいで使うのは、逆にしっくりくる使い方となっている気がするよね。

  • 質問者アイコン

    「虎の尾を踏む」で、もう少ししっくりくる使い方を教えてよ。

  • 回答者アイコン

    そうだね、例えば不景気で大暴落の相場の最中に、貯金全額を叩いて株の投資で大勝負をするのは、「虎の尾を踏む」の現代版らしいよね。他には、警察官が包丁を持っている犯人を逮捕しようと向かい合って状態なども、極限状態を表す言葉として的確だと思わない。

質問者は、よくある「虎の尾を踏む」の使い方に少し懐疑的な気持ちがあります。よって、回答者がより現代らしい使い方の解説をしています。

虎の尾を踏むの類義語

「虎の尾を踏む」の類義語には、「 虎の口へ手を入れる」「火に油を注ぐ」などの言葉が挙げられます。

虎の尾を踏むまとめ

非常に恐ろしい状態、又はその恐ろしい状態に自ら突き進む際の例えが「虎の尾を踏む」という言葉です。ケンカを止める際などに使われる事が多く、その危険度合いは個人判断によりますが、現代では本来の”非常に危険”から乖離されて、多少の危険でも使われるようになっています。

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