血の滲む(ちのにじむ)
「血の滲む」とは「心身が疲弊するほど大変な努力をする喩え」です。柔道部や剣道部などの練習は大変ハードなので怪我をして血が出てしまう事もありますよね。また運動部ではなくても、吹奏楽部なども練習のしすぎから指先は常に出血状態という生徒もいるでしょう。そんな大変な努力をして苦労をしている状態が「血の滲む」となります。
血の滲むの意味とは
「血の滲む」の意味は以下の通りとなります。
(1)尋常ではない努力をする姿。非常に心身を苦しめ努力する喩え。
(2)辛く苦しい事に耐えて努力する様子。
(3)「血の滲むよう」「血が滲む」「血が滲むよう」「血が出るよう」なども同義。
”血”は「血液」「血管を流れる体液」「同一の先祖に繋がる関係」「人間が有する感情や思いやり」、”滲む”は「液体が物に染みて広がる」「液体がうっすら出てくる」で、血液が皮膚に出てきたり染み出ている様子が「血の滲む」です。これは主に運動部やプロスポーツ選手などが激しいトレーニングをしている様子を表したもので、特に格闘技系スポーツである柔道・空手・ボクシングなどで多用される表現です。他にも苦労している姿なので、例えば学業と両立する苦学生が肉体労働的なバイトをしたり、刀鍛冶など大変辛い思いをする仕事などでも「血の滲むほど毎日がキツイ」といった風に使います。また、場合によっては実際に血が出ていなくても苦労を強調する意味で「血の滲む」「血の滲むよう」ともなります。後は血は出ていなくても、怪我をしたり息切れをしたりといった誰から見ても疲労困憊や大変な思いをして挑んでいる姿も「血の滲む」として問題ないでしょう。
血の滲むの由来
「血の滲む」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては「血」で奈良時代に成立した日本最古の書物「古事記」などに文言が記されています。
血の滲むの文章・例文
例文1.底辺だからと諦めているが、それでも貧乏人は血の滲む思いで毎日生活をしているのに議員や官僚や大企業勤めな上流といった連中が「資本主義は最高」と心の声を上げる度に、絶対にいつか復習してやろうと決心だけ大きくなる。
例文2.よくスポーツ選手の練習や芸能人の歌やダンスレッスンを血の滲む特訓と美談に扱うが、彼らに弄ばれ泣き寝入りをせざる得なかった女性ファンなどは軽い気持ちで飲み会に参加しなければ良かったと後悔しかなく、練習の憂さ晴らしにされる方は迷惑でしかない。
例文3.毎日深夜2時ごろに目覚め、そこから血の滲むような怒涛の誹謗中傷をSNSなどに書き込み、家に朝日があたる頃に疲れからまた眠るというニート生活を何年も続けている自分は無敵だ。
例文4.大手自動車会社は好待遇で期間工を雇っているが、それは血の滲む仕事の代償であり飽く迄も期間限定でダメなら首にするという小泉竹中システムを令和になってもまったく変えず続けるおかしな慣習なくせに、なぜか地球温暖化やSDGsやウクライナ情勢といった物事だけ真摯に強く取り組んで世間に優良企業と必死にアピールする。
例文5.血の滲む努力をして8回目でやっと普通自動車免許に合格したら、両親からため息を吐かれ悲しくなりテーブルに頭を伏せて3人で泣き出した。
「血の滲む」を使った例文となります。
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血の滲むの会話例
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もう…限界だ。だから、仕事をや、やめ…。
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待って。もう考えは決まったの?あれだけ一緒に毎日、研究を続けてきたじゃない。時には血の滲むような苦労もして…、それが全部無駄になるのよ。
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もういいんだよ。こんな社会に何の役にも立たない研究なんて、ゴミだよ。
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バカ、大バカよ。そんな自分勝手に辞めるなんて。
退職の決意を固めた男性が同僚女性に告げるという内容です。
血の滲むの類義語
「血の滲む」の類義語には「努力」「血反吐を吐く」「苦労に苦労を重ねて」「辛酸をなめて」「辛い目」「苦心惨憺」「骨を折る」「苦心」などの言葉が挙げられます。
血の滲むの対義語
「血の滲む」の対義語には「甘美」「安楽」「気楽」「楽しい」「楽観」「快楽」などの言葉が挙げられます。
血の滲むまとめ
大変な苦労や努力をする喩えが「血の滲む」です。実際に手のひらや指先から血が出るほどの練習をしたり、或いはそれぐらいの努力をする事となっています。「血の滲む思い」「血の滲む苦労」といった形で使われ、大変な苦労の代名詞的な慣用句ではないでしょうか。