衷心(ちゅうしん)
「衷心」は、大人になったら常識やマナーとして、覚えておくと便利な言葉です。主に冠婚葬祭で使われ、訃報に対する電報では必ずと言える程用いられる事が多いです。逆に言うと、日常生活では滅多に見聞きしませんが、この機会に覚えてみてはどうでしょうか?
衷心の意味とは
「衷心」の意味は以下の通りとなります。
(1)真心の奥底。衷情。心の底。
(2)書き言葉として、「忠心より」として使用される。
あまり馴染薄い言葉ですが、それは冠婚葬祭で喜びや感謝の祝辞や礼状、お悔やみの手紙などの際に書き言葉として使われるのが、大半だからです。いくら、冠婚葬祭に出席しても、その場で会話として使われる言葉ではありません。だから、何度その場に居合わせても、意識していないと聞き覚えがない言葉となるのです。実際には、「忠心より御多幸をお祈り申し上げます」のように使い、文章の締めとするのが一般的です。
衷心の由来
「衷心」の由来は残念ながら不明です。元となるのは仏教用語や宗教用語と推測できますが、確証はありません。元天皇・現上皇様が85歳の誕生日での会見でも、「多くの国民に衷心より感謝する」と述べられた事からも、歴史や伝統ある言葉であるのは間違いありません。また、古くからの文献では、南北朝時代の臨済宗夢窓派の禅僧・義堂周信(空華)の日記「空華日用工夫略集」(1382年)では、「衷心」を使った文章が含まれています。
衷心の文章・例文
例文1.創業20年を迎えられ、衷心よりお祝い申し上げます。
例文2.ご迷惑をおかけして、衷心よりお詫び申し上げます。
例文3.訃報につきまして、衷心よりお悔やみ申し上げます。
例文4.以前の上司が出馬し選挙に当選したので、衷心よりお祝い申し上げます、と電報を打った。
例文5.仕事でミスばかりしているので取引先に、衷心よりお願い申し上げますとメールするのが習慣になってしまった。、
「衷心」を使ったよくある定型文、例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
衷心の会話例
-
衷心って漢字、本当に知っていたの?
-
私を誰だと思っているの! 大人の常識として、前から知っていました!
-
じゃあ、意味を教えてよ!
-
真心、心より等の意味だよ。だから、衷心より今後も私に感謝しなさい。分かった!
「衷心」について質問してきた男性を言いくるめる女性の会話です。
衷心の類義語
「衷心」の類義語には、「心より」「切実」などの言葉が挙げられます。
衷心まとめ
「衷心」とは、普通の心よりもさらに気持ちを込め、真心やその奥底という意味になり、冠婚葬祭やビジネスの場でお礼やお悔やみの書き言葉として使われます。他にも、弔電やメールなどでも使われますが、会話として用いられないので、大人でも知らない人が多い言葉の一つです。