袂を分かつ(たもとをわかつ)
「袂を分かつ」(たもとをわかつ)も、頻繁に見聞きする機会が多い言葉です。特に多いのは、政治家が所属する派閥や党から離れる際に、本人や解説者などが「袂を分かつ」という表現を使います。その事から、別れるや離れるという意味合いが汲み取れ、実際の意味も殆ど同じになります。では、より正確な意味や由来、どの様な使い方が他にあるのか解説をさせて頂きます。
袂を分かつの意味とは
「袂を分かつ」は前記したように、別れるや離れるという意味ですが、さらに強い意思や決意の元での別れとなるので、絶交や絶縁、別離や断絶という意味で使われるのが一般的です。ですから、離婚をする際に用いるとするなら、結婚は解消するが今後も子供達の為に良き関係を継続するという際には使わず、二度と会わないし会話もしたくないという状況で「袂を分かつ」と用いるのが、本来は望ましいです。因みに、似た言葉に「縁を切る」があって、こちらの方がもう少しマイルドで修復可能な余地を残しています。
袂を分かつの由来
”袂”は和服の袖の下の袋状の部分、”分かつ”はそのままで分けるや別れるという意味となります。”袂”は本来、”手元”(たもと)だったとされ、それが時間の経過で”袂”になったとされています。
個人的な解釈もありますが、昔は振袖は未婚女性が着るものと相場が決まっていて、男性から言い寄られた際に振袖の袂を振る事で、好きや嫌いの表現となっていました。その様な愛情表現がある袂だけに、「袂を分かつ」のは大きな決断としての別れだったのです。
袂を分かつの文章・例文
例文1.中堅議員が問題発言で、所属する派閥の袂を分かつ事になった。
例文2.長年頑張ってきた部活を辞めるのは、僕にとって袂を分かつ大きな決断だ。
例文3.袂を分かつという断腸の思いで、離婚に至った。
例文4.袂を分かつのは苦渋の決断だが、今の会社には居場所がないので退職をする。
例文5.袂を分かつ決心をして、心が軽くなった。
別れを表す言葉なので、あまり良くない意味として捉えられますが、前向きな解釈も出来なくもないです。新しいスタートへの序章とするなら、実は良い言葉なのかも知れないです。
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袂を分かつの会話例
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大好きだった彼女と別れる事になりました。こんな時に、ピッタリな言葉ってありますか?
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それなら、袂を分かつなどは当て嵌まるんじゃないの? 絶交や別離などちょっと重い意味になるけどね。
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彼女との関係が、袂を分かつ事で終わったという意味になるんですよね。なんだか寂しいな?
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あまりクヨクヨしないで、新しい恋愛を早くしなさい。政治家も、頻繁に袂を分かっているけど、誰も何とも思っていないでしょう。本来は重い意味だけど、実際には軽い感じで使われているのも、また事実なの。
恋人と別れ、落ち込んでいる男性に対し、袂を分かつを政治家に絡めて解説をして、早く次の恋愛に頑張るよう諭しています。
袂を分かつの類義語
「袂を分かつ」の類義語には、「袖を分かつ」「新天地を求める」などの言葉が挙げられます。
袂を分かつまとめ
「袂を分かつ」は、絶交や絶縁といった際に用いられる永遠の別れ的な言葉です。元々は和服の袂が、男女間の好意を示す合図であったのが、次第に現在の意味として定着をし、主に政治家の離党や夫婦の離婚、職場を辞める際など多様な意味でも使われる言葉に変化しました。