裸の王様(はだかのおうさま)
「裸の王様」は、元々は世界的な有名童話ですが、現在は大物芸能人や有名人だけでなく会社の社長や上司など自らよりも力がある立場の人を貶す誹謗中傷や陰口の際に、よく使われる喩えですよね。その印象があまりにも強いですが、このあまりにも有名な喩えや表現である「裸の王様」について調べてみました。
裸の王様の意味とは
「裸の王様」の意味は以下の通りとなります。
(1)デンマークの童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセン氏が1837年に発表した、権力者の孤独、従うだけの部下、狡賢い詐欺師、大衆の本心などそれぞれの立場により人間心理を巧みに表現した作品。
(2)(童話からの教訓として)、どんなに成功した人でも身近に本音で助言してくれる人がいない、また耳を傾けないと何れ大事な何かを失う、見誤るという喩え。
(3)原題「Kejserens nye klader」(デンマーク語)。
「裸の王様」について、人々の捉え方は様々ですが、大半は最後のシーンである裸の王様がパレードし子供や国民から笑われバカにされるのが衝撃的であるので、そこから皮肉を込めて、権力者など立場が上の者が周囲をまったく理解せずに無謀な事をしたり、己を理解していないと「裸の王様」と陰口を叩かれます。しかし、その裏には詐欺師が登場し狡賢く振る舞ったり、国もの当初は同調圧力に屈する、王様を恐れる部下は何も言えないなどのテーマも隠されています。よって、これらについても「裸の王様」と喩える事もあると理解すべきです。
裸の王様の由来
「裸の王様」は、デンマークの童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセン氏が1837年に発表した童話ですが、実は原作は別にあります。それは、スペインの王族であるドン・フアン・マヌエル氏による童話集「ルカノール伯爵」に収録された「ある王といかさま機織り師たちに起こったこと」が、本来の「裸の王様」のオリジナルとなります。
裸の王様の文章・例文
例文1.学級委員になりクラスメイトに上からな態度を取るようになったら、裸の王様と陰で呼ばれるようになった。
例文2.悪い事がバレた政治家が毎回、秘書に問題を擦り付けるのは、これほど裸の王様なんだと感じる事はないものだ。
例文3.テレビ番組で騒ぎ、大金を自慢する芸能人を見ていると、裸の王様なんだと感じてしまう。
例文4.普段は大人しい人なのに、煽てられると酒を大量に飲み気が大きくなるのは、周囲から裸の王様のように扱われているのだろう。
例文5.洋服屋で似合わないのに店員が絶賛するのは、ちょっとした裸の王様状態に近いものがある。
時と場合によって持ち上げたり、貶したりするのも「裸の王様」の喩えとしてよくあります。
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裸の王様の会話例
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この前は大変だったよ。一度に何人もの女性からモテてしまって。本当に参ったよ。
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また、どこかのお店で飲んできたんでしょう?
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やっぱりバレてしまうよね。今時、モテる気持ちにさせてくれる店なんて、キャバクラぐらいしかないからね!
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ちゃんと分かっているならいいよ。もしかしたら、裸の王様みたいに、煽てられて本当にモテていると勘違いしたら困りものだよ。
キャバラクラの女性達にモテたと喜ぶ男性も、状況を分かった上で楽しんでいる。「裸の王様」ではなかったという会話になります。
裸の王様の類義語
「裸の王様」の類義語には、「魚の目に水見えず人の目に空見えず」「蛸の糞で頭に上がる」などの言葉が挙げられます。
裸の王様まとめ
「裸の王様」はデンマークの童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセン氏が1837年に発表した童話で、詐欺師に煽てられ、周囲には的確な助言をしない部下ばかりだと、王様も自分を見失い最後には大恥をかくという物語です。その中身から、どんなに権力者や実力者でも自らを驕り高ぶり、批判や反対意見、真実をきちんと受け入れないと失敗や自滅するという教訓です。