言行不一致(げんこうふいっち)
「言行不一致」とは「言葉と行動の矛盾や主張と行動の違い」です。表面上は綺麗事を並べても、実際は悪い行動ばかりを取る人っていますよね。特に有名人や権力を握る側に多く、そんな態度や姿勢を「言行不一致」と言います。口で悪い事や不快な事ばかり言って、実際の行動も悪ければ救いようがないので、口から出まかせを言いたくなる気持ちも理解できますが、それでも言動には責任が伴うのです。だから政治家などはより慎重に言葉を選び、行動も真っ当ではないといけないのでしょう。
言行不一致の意味とは
「言行不一致」の意味は以下の通りとなります。
(1)口で言う事と行動に矛盾がある事。言っている事とやっている事がまったく違う事。
(2)主張と行動の食い違い。
(3)平気で嘘を吐いたり、事実とは違う事を語る事。
”言行”は「言葉と行い」「口で言う事と実際に行う事」、”不一致”は「一致しない」「同じではない」「ぴったり合わない」で、言葉と行動が合致しないのが「言行不一致」です。簡単に言えば嘘を吐いている事で、辻褄が合わなくても自分自身に都合良く物事を語るので、周囲や第三者がそれは良くないと批判をより丁寧な物言いにした表現ともなります。最も多いのは政治家の発言などを「言行不一致」と批判する際に使うパターンで、他にも芸能人など有名人の発言や会社でも問題が生じた際に使われたりします。日常生活ではこのようなお堅い言葉は好まれないので、一般的な「嘘」や「適当な事」などの表現に変わります。政治家などは口では立派な事や常識を言いながらも、裏ではコロナ禍でも宴会を開いたり文通費などを懐に収めているので、そんな態度から「言行不一致」と批判の対象になります。一方で、逆に言うなら大抵の大人は誰しも口先だけな存在なので、全員が「言行不一致」なのですが、だからこそ自分よりも目立つ有名人などの存在に使いたくなるのでしょう。
言行不一致の由来
「言行不一致」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては”言行”は中国前漢時代の歴史書「史記」の抄物「史記抄」(1477年)、”不一致”は明治時代の小説家・内田魯庵の著書「社会百面相」(1902年)などに文言が記されています。
言行不一致の文章・例文
例文1.社長も副社長も偽装問題に対して不誠実で、マスコミを前にしても言行不一致を終始繰り返して乗り切ってしまったが、翌日の新聞やSNSは相当批判され荒れるだろう。
例文2.現在は消費者もコンプライアンス重視の姿勢が厳しいので、言行不一致などは言語道断である。
例文3.最早政治家の言行不一致は日常茶飯事なので、今後はポイント制にして1回の嘘に対して1点を与えて3点に達すれば強制で議員失格にするべきだ。
例文4.荒んだ環境で幼少期を過ごしたので、身を守る手段として自然と言行不一致が板に付いてしまった。
例文5.「今日は早く帰れる」と言いながらも結局は遅くなるので、昭和世代のサラリーマンは毎日が言行不一致でそれは奥さんからの小言も大変だったのだろう。
企業や政治家などで「言行不一致」を使った例文です。
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言行不一致の会話例
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昨日は暇だったから、国会の予算委員会をずっとテレビで観ていたんだけど…。あれは酷いね。
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あんな退屈なものを何時間も観ていたの? 拷問じゃない。
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まあそうなんだけど、それにしても政治家とは屁理屈を言うか答えを濁すか言行不一致のどれかしか選択肢がないんだよ。あれで、この国を良くしようと思っているならお終いだね。
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だって言行不一致をするほど箔が付く世界なのよ。一般人には理解不能な集団でしょう。
知人男女による国会や政治家批判の会話となります。
言行不一致の類義語
「言行不一致」の類義語には、「言行相反」「言行齟齬」「舌先三寸」「口だけ立派」「口先だけ」「嘘八百」「整合性がない」などの言葉が挙げられます。
言行不一致の対義語
「言行不一致」の対義語には、「言行一致」「有言実行」「名実一体」などの言葉が挙げられます。
言行不一致まとめ
「言行不一致」は発言と行動が同じではなく矛盾がある事です。自らに都合が良いように嘘を吐くと、周囲からすると生じた矛盾に我慢ができず、「言行不一致」と問い質したくなるのです。よって、そんな嘘や主張と行動の違いが「言行不一致」です。