詭弁(きべん)
「詭弁」とは、端的に言うなら「嘘議論」となります。政治家などに対し、辛辣コメンテーターが「詭弁である」と発したのをワイドショーなどで聞いた覚えがあると思います。本来は間違っている事に、本人も実は気が付いているのにも関わらず、自己弁護も兼ねてそのような答弁に対し、腹を立てた方が「詭弁」と怒りをぶつけるのが、良く見掛けるパターンです。では、「詭弁」の解説を始めさせて頂きます。
詭弁の意味とは
「詭弁」の意味は以下の通りとなります。
(1)間違いであるにも関わらず、敢えて正しいと思わせる為の議論や弁論。
(2)人を欺く目的での虚偽の推論を展開する事。
(3)実際には誤りなのに、無理な論理を押し通す。
(4)道理に合わないが、自らを正当化する為に主張を押し通す。
(5)別表記では「奇弁」や「危弁」
「奇弁」とは上記のような意味ですが、厄介なのは弁論を得意とする人だと、例えそれが嘘や間違いの理論でも、真実や事実のように感じてしまう事です。そこで、「詭弁だ」と事実を語る方が主張をしても、それに対し詭弁側が「そちらこそ詭弁だ」と主張をすると、混乱をしてどちらが正しいのか分からなくなります。「詭弁」の理屈は一見正しく見えたり感じられるので、そのカラクリを議論などで突けなかったりすると、反撃を受けてしまいます。傍から見て、誰もが納得の「詭弁」ならまだマシだが、相手を困惑や混乱が目的となると、「詭弁」によって違った方向に議論が動いてしまいます。これは、最近の国会答弁などでもよくある傾向です。よって、人を欺き、本質から遠ざけるのが、最近良くある「詭弁」の狙いとなります。
詭弁の由来
前5世紀から前4世紀初期、古代ギリシャ・アテネには職業的教師と呼ばれる「ソフィスト」という集団が、授業料を取りながら百科全書的学識一般の中でも”弁論術”を教えていました。哲学者のプロタゴラスやゴルギアスが「ソフィスト」の代表者で、議論を得意としていた彼らは、通常の方法以外にも、言葉の曖昧さや偽論理なども得意として、人は詭弁に弱いという本質に気が付き、後に「詭弁家」や「詭弁学派」と呼ばれるようになった。
詭弁の文章・例文
例文1.小学3年の息子は、今から言い訳が得意で、将来は詭弁が立つ人物になりそうな予兆がある。
例文2.詭弁でも、多数から信頼を勝ち取れば、それが事実になる。
例文3.詭弁が得意なのは賢い証拠で、それを信じてしまうのは愚かな証拠だ。
例文4.政治家などは詭弁だらけだと、飲み屋のオヤジさんが愚痴をこぼした。
例文5.AIが発達すれば、詭弁が通用しない社会になるだろう。
「詭弁」を使ったよくある例文、将来的な願望も含めた紹介です。
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詭弁の会話例
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職場で、俺が言うのは詭弁が多いって言われたんだけど、どう思う?
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私は彼女だから、そんな事はないと思うけどなー。
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どうも、話す事が嘘っぽく感じられるようで。それで、仲良い同期にけっこう、詭弁だろーって言われるんだよね。
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うーん、でも同期が詭弁って言うなら、冗談じゃないかなー。だって、詭弁って言う時は、結構怒っていない。だから大丈夫だよ。
「詭弁」と職場の同期に言われ落ち込む彼氏を、励ます彼女のやり取りです。
詭弁の類義語
「詭弁」の類義語には、「こじつけ」「屁理屈」などの言葉が挙げられます。
詭弁まとめ
「詭弁」は相手を騙す様に話を誘導したり、間違いでも正しいと思わせたり、欺く目的で無理な論理を押し通す事です。本来は事実を伝えるべきだが、それよりも本質ずらし、虚偽、自らの正当化が目的となり、そこに言葉巧みさも加わると騙されてしまいがちです。