謙遜(けんそん)
謙遜とは、相手に対しへりくだることです。普段何気なくしていることに、言葉が付いていることを知った時の感動は計り知れません。そんな言葉には、知っているはずなのに意味が明確ではない、という言葉も含まれています。例えば小中学校で敬語に関する勉強をした時、「謙遜語」「丁寧語」「尊敬語」の三通りを学びます。しかし謙遜語の「謙遜」の意味について考えることはそう多くありません。改めて辞書を引くことをするほどでも無いとも考えがちです。ここではそんな敬語の基本の一つである「謙遜」についての意味や由来を見ていきます。
謙遜の意味とは
「謙遜」(けんそん)とは、相手に対してへりくだることをいいます。また控えめで慎ましく振る舞うのも謙遜です。「そんなことありません」と自分を否定し、やや価値を下げて受け取ることをいいます。似た言葉に「謙虚」という言葉がありますが、こちらは「ありがとうございます」とそのまま受け取る事を指す言葉です。似た意味ではありますが、厳密には意味が変わってくるので注意が必要です。
謙遜の由来
大元は「漢書」に記された言葉です。日本にも伝わっており、平安時代には書物「論語抄」にも掲載されています。「謙遜」の謙は人に譲りへりくだること、遜は控えめな態度を取ることをいいます。また譲るという意味や劣るという意味も持っています。結果として相手に譲ってへりくだることを表すことになるのです。
謙遜の文章・例文
例文1.彼は常に謙遜な態度で好感が持てる
例文2.謙遜しないで、自信を持てば必ずうまくいくよ
例文3.あの人は謙遜で慎ましい人で多くの人の尊敬を集める
例文4.そんなに謙遜されると困ります
例文5.謙遜のし過ぎは嫌味に聞こえるので、ほどほどが大事です
謙遜な態度を取る、で助言を受け入れ、現状に満足しないことを表します。褒め言葉として通用する言葉なので、一つの熟語として覚えておくと表現が広がります。文学作品でもチラホラと見ることができる表現なので、本を読むことが多い人には馴染み深い言葉です。
謙遜の会話例
-
君は本当に起点が利いてて、仕事が早いね。
-
そんなことないですよ!
普通にしかしてないです! -
そんなに謙遜しなくていいよ、事実、正確かつスピーディだからね!
-
イヤイヤ、ほんとにそんなことないですよ。
日本人は性格上、謙遜しやすいので、使われることの多いワードになるかと思います。
謙遜の類義語
謙遜の類義語としては、「僭越」や「卑下」が類義語にあたります。自分を一段階下げた表現をすることで、結果的に相手を上げるという方法で尊敬を表す言葉です。卑下は更に自分の評価を低く、卑しめる意味を持っているので、相手によっては過度な使用をすると不快な思いをさせてしまうこともあります。
謙遜まとめ
謙遜にはそこと無くへりくだることを指します。しかしあくまで限度を弁えることも、謙遜には含まれています。謙遜としてへりくだり過ぎてしまうと、嫌味や皮肉として捉えられることも出てくるため、度が過ぎる前に素直になることも大切になってきます。まずはお礼をいうことだけでも、謙遜しすぎという状態を回避できます。