謳歌(おうか)
「謳歌」とは「一緒に褒め合い、また幸せを分かち合う事」です。「青春を謳歌する」「人生を謳歌する」といった形が有名ですが、何となく漠然と使っていませんか? 確かに「謳歌」はポジティブな意味合いとは感じられますが、具体的に正しい意味とは案外分かり難いのです。個人的には、「幸せな環境で今を楽しむ」という感じではないかと思いますが、これも少々はっきりしないのは事実です。それでは「謳歌」とは正しくはどんな意味なのか調べてみました。
謳歌の意味とは
「謳歌」の意味は以下の通りとなります。
(1)声を合わせて歌う。歌謡や俗謡などの歌を皆で一斉に歌う事。
(2)声を揃えて褒め称える。一緒に褒め合う。
(3)皆で幸せを分かち合い喜び合う。良い境遇にいると自覚して声を出し感謝する。
(4)噂をする。風説や風聞。
”謳”は「歌う」「歌」「声を揃えて歌う」、それに”歌”を合わせて、「歌を歌う」のが「謳歌」ですが、さらに上記の様な意味合いとなります。歌を歌うのは楽しいという事なので、そこから人生を楽しむとして「人生を謳歌する」という使い方が最も一般的です。従って、基本的にはポジティブな言葉で、喜びや褒め称える、さらには称賛や絶賛、又は相手を応援するといった形になります。さらに深掘りするなら、「仕事を謳歌して」「旅行を謳歌して」「結婚生活を謳歌して」といった形の様に、物事を大きく扱った際に用いる傾向です。ですから似たような文面でも、「家事を謳歌して」「散歩を謳歌して」といった表現ではまず使いませんし、一般的にはどこかおかしな表現となります。
謳歌の由来
「謳歌」の由来は、残念ながら不明です。文献としては平安時代初期の勅撰漢詩集「凌雲集」(814年)の「奉和聖製宿旧宮応製」などに文言が記されています。
謳歌の文章・例文
例文1.逆境ばかりの人生だが、それでも謳歌すると誓ってからは少し気が楽になり毎日が充実している。
例文2.大手を振って議員生活を謳歌していた世襲大臣が、またどや顔で頓珍漢すぎて意味不明な事を言い放ち、メディアや野党が異議を唱えた。
例文3.40代独身男性が「まだまだ人生の謳歌が足りない」と言ったら、20代の既婚男性が勝ち誇った様に蔑む目をしてくるが、実はどっちも大差がないとなぜ理解できないのだろう。
例文4.お笑い芸人はラジオに出演している時が最もいきいきして、規制ばかりのテレビよりも芸人人生を謳歌しているんだと傍から見ても感じる。
例文5.妻と私は常に謳歌し合う関係だったが、先日離婚が成立した。褒めているだけでも長続きしないので、結婚とは実に難しい。
人生を楽しむや褒め称えるとして「謳歌」を使った例文です。
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謳歌の会話例
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どうしたの? そんな嬉しそうな顔をして。
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分かります。実は明日、久しぶりに彼氏とデートなんです!
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若いっていいね! 俺みたいなおっさんには羨ましいよ。
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一応、まだ20代前半なので青春を謳歌しているんですよ。あっ、だから今日は残業無しで帰りますので。お願いしますね。
翌日に久しぶりのデートを控え上機嫌な女性と同僚男性の会話です。
謳歌の類義語
「謳歌」の類義語には、「快楽」「歓楽」「享受」「悦楽」などの言葉が挙げられます。
謳歌まとめ
「謳歌」とは「人生や青春を謳歌する」という使い方で有名な言葉です。元々は声を合わせて歌うや褒め称えるという意味で、現在もその様な意味合いもありますが、幸せな人生を称賛する際などに用いられます。従って大変前向きで明るく、これからの未来を楽しみにし希望を感じさせる言葉ではないでしょうか。