「貿易摩擦」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説!

B!

貿易摩擦(ぼうえきまさつ)

「貿易摩擦」とは「日米や米中など両国間で起こる貿易不均衡によるトラブルや緊張関係」です。貿易とは原料や製品などを互いに輸出したり輸入するものですが、両国が黒字になるのは珍しく、大抵は黒字になればもう一方の国は赤字になり、それが積み重なると不満が募るのです。そんな微妙な緊張関係が「貿易摩擦」で、先進国ほど取扱量が大きいので必然的に赤字になると一層膨れ上がります。そんな国同士の事情を垣間見れる「貿易摩擦」の解説となります。

[adstext]
[ads]

貿易摩擦の意味とは

「貿易摩擦」の意味は以下の通りとなります。
(1)経済用語で貿易相手国との収益不均衡が国内経済に悪影響を及ぼし両国間に生じる緊張関係。
(2)貿易不均衡をめぐる両国間に発生した揉め事。
(3)主に日米間の貿易収支による不均衡で経済的紛争の事。
”貿易”は「国際間の商品取引」「互いに財貨を交換した取引」、”摩擦”は「物と物が擦れ合う」「社会関係で二者の間に意見や感情の食い違いが起こる事」で、両国間での輸出や輸入で不平等が生じてその悪影響から起こる揉め事が「貿易摩擦」です。日本においては圧倒的にアメリカとの間での貿易で起こる問題事をまとめた俗称として「貿易摩擦」(日米貿易摩擦)となりますが、近年は中国との貿易も多いので日中間でも「貿易摩擦」(日中貿易摩擦)が使われますし、当然ながらそれら以外の国々や他国同士の貿易による揉め事も「貿易摩擦」となります。本来は互いに納得や妥協し、それでもメリットがあると判断した上で貿易を始めるのですが、どうしても両国の力関係や為替に影響力などが絡むと、一方は収益を上げてもう一方は損失となるケースが多くなります。また、いくら海外から輸入した方が安いとしても先進国の場合は同産業が自国にある場合が多く、そうなると貿易黒字でもその産業が衰退や倒産で失業問題が勃発する恐れもあり、そのバランス取りはなかなか難しいのです。そんな事情から、かつては日本の高度経済成長期には欧米間と深刻な「貿易摩擦」が度々生じて、特にアメリカによる1970年代末から1980年代までの強烈な「ジャパンバッシング」は大きな問題となりました。アメリカ人は街中で車など日本製品を破壊して「日本製品不買運動」をアピールしたのです。その後は沈静化しましたが、その後は2010年代になると中国や韓国で反日からの「日本製品不買運動」が何度も繰り返され、このような経験から日本は最も「貿易摩擦」に神経質な国と言っても過言ではありません。それでも日本人の多くは「貿易摩擦」をあまり深刻に捉えず、それどころか、叩かれるぐらいに日本製品の質が良いと思っています。また、トヨタを始めとした国内の大企業が売上や利益が好調なので、貿易が上手くいっていると誤解をするのです。しかし、日本のグローバル企業は端的に言えば現地生産の現地販売であり「貿易摩擦」が起こるリスクは低く、それよりも昨今の「貿易摩擦」は米中間の経済問題である「米中貿易摩擦」の一択で、世界は大国同士がどのような解決をするのか注目しています。

貿易摩擦の由来

「貿易摩擦」が最初に問題となったのは1960年代後半の日米間における繊維製品で、その後は日本の安く質が良い鉄鋼製品や自動車に半導体などが1970年代から1980年代にかけて暫し両国間で大きな軋轢を起こす事態となりました。

貿易摩擦の文章・例文

例文1.基本的に日本の外交とは相手国の顔色を窺うものばかりで、貿易摩擦と言っても平身低頭で接するものになる。
例文2.米中間の貿易摩擦が第二次世界大戦前に起きていれば、確実に戦争に突入していただろう。
例文3.実際のところはアメリカ製品よりも中国製品の方が圧倒的に浸透しているが、それでも米中の双方に良い顔をしないと現在の日本経済は成り立たず貿易摩擦をいかに抑えるかが鍵となる。
例文4.GAFAなど巨大IT企業が世界中を股にかけて好き勝手しているのだから、今や二国間の貿易摩擦の背景にはこれらのマンモス企業をどのように取り締まれるかにかかっている。
例文5.貿易摩擦などは所詮は空理空論でありニュースが報じるほどシビアな問題ではないと、歴代の外務大臣の顔ぶれを見れば誰でも察するが、それでも偉そうな評論家や政治家が語り出すと笑ってしまう。
他国との問題である「貿易摩擦」についての例文となります。

  • [adsmiddle_left]
  • [adsmiddle_right]

貿易摩擦の会話例

  • 最近はコロナや自民党総選挙ばかりが報道されるけど、米中間の貿易摩擦ってどうなっているの?

  • どうって…、いつも通りじゃないの? アメリカが一方的にもっとアメ車を買えー、もっとアメリカンビーフを買えーって言ってるだけでしょう。

  • それを言葉巧みに言い訳をして許してもらっている日本か。いじめっ子といじめられっ子の構図だな。

  • 対等な立場が崩れどちらかが有利になれば貿易摩擦だけど、そもそも日米間ではアメリカが圧倒的に有利だから、本来は摩擦など起きないのに難癖をつけるのよね。

「日米貿易摩擦」について男女が話し合っています。

貿易摩擦の類義語

「貿易摩擦」の類義語には、「通商摩擦」「経済摩擦」などの言葉が挙げられます。

貿易摩擦まとめ

「貿易摩擦」は貿易相手国との揉め事や騒動という意味で、日本の場合は主にアメリカとの間で生じた「日米貿易摩擦」として扱うのが多くなります。世界的に見ると近年はアメリカと中国の「米中貿易摩擦」となり、例えば大企業や投資家などは米中リスクを危惧して中国等への工場建設を控えたり、株価暴落を恐れて関連する銘柄を売却するなど「貿易摩擦」が世界経済に与える影響は年々大きくなっています。高度経済成長期は日本も欧米からバッシングされ、いくら双方が納得した上での貿易取引とはいえ、不満が出ると自国民に強い姿勢をアピールする為にも攻撃的になってしまうのです。

最新の記事はこちらから