過不足(かふそく)
「過不足」は、”かぶそく”と読まれる方が多いですが、それは誤りで”かふそく”が正しいです。また、多く不足している時に「過不足」と使いがちですが、これも誤りです。正しくは「多過ぎて少なすぎる」が同居する簿記の専門用語”現金過不足”を簡略したもので、その応用として他の分野でも使われる事があります。では、「過不足」の解説を始めさせて頂きます。
過不足の意味とは
「過不足」の意味は以下の通りとなります。
(1)数量や金額が、多過ぎる事と足りない事。
(2)簿記用語の「現金過不足」を簡略したもの。
レジなどで計算上の金額と実際の現金額が一致しない際、仮の勘定科目が「現金過不足」です。この状態では、借方または貸方のどちらかが金額が多くなり、もう片方は少なくなります。その事から、多過ぎと足りない状態が共存しているのを「過不足」となります。よって、仕事などで間違いがないよう促す際に「過不足なくやってくれ!」と声を掛けたりします。
過不足の由来
「過不足」の由来として、簿記の専門用語「現金過不足」が元となっています。簿記の歴史は経済の歴史でもあり、発祥はローマ時代まで遡れます。日本に簿記が伝わったのは明治6年で、その頃から「現金過不足」が言葉や仕訳の勘定科目としてあったと推測できます。「過不足」の昔の文献は不明ですが、”不足”の場合は、1050年頃に書き綴られたとされる平将門の乱の軍記物語「将門記」には、「仍りて不足の由を勒して〜」という一文が残されています。
過不足の文章・例文
例文1.過不足ないように、慎重に作業を終えた。
例文2.発注の際に過不足があると責任を取らされるので、とにかく確認が大事だ。
例文3.コンビニでは毎日決まった時間に、現金の過不足がないか確認をする。
例文4.簿記試験では、現金過不足を理解しないと合格できない。
例文5.大きな幸せもないが、嫌な事や不満も過不足ないので、これが幸せなんだろう。
仕事やその際の確認で「過不足」を使うのが多く、他には平凡な幸せの尺度としても用いられます。
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過不足の会話例
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コンビニでバイトしているけど、レジの現金確認が恐怖でしかないよ。
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どうして? 慣れれば簡単じゃないの?
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それが、レジで金額が過不足になると、お客に多くや少なく渡したから、店員が盗んだなど疑いもあるし、とにかく気疲れする。
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今のスーパーなどは、お客が支払うセルフ清算が多いよね。あれなら、過不足が無くなるよね。
コンビニバイトでレジの「過不足」を愚痴る会話内容です。
過不足の類義語
「過不足」の類義語には、「過不及」「多かれ少なかれ」などの言葉が挙げられます。
過不足まとめ
「過不足」は簿記専門用語「現金過不足」を元とする言葉で、現金や数量が多過ぎで足りないという意味になります。一見すると相反する状態ですが、レジなどで計算上と実際の現金の金額が合わないと、この様な状況に陥り、働く方としてはミスや責任を取らされる事となります。