過労死ライン(かろうしらいん)
｢過労死ライン｣とは｢長時間労働や精神的ストレスから疾病や自殺に繋がる恐れがある過労死の判断基準｣です。労働は大事な事ですが自分の命を削ってまで働くというのは、その後に最悪なケースが待ち構えている恐れがあります。日本はこれまで｢過労死｣が問題視されてきましたが抜本的な改革されず、しかし、近年はやっと重い腰が上がり長時間の労働が是正される流れとなってきています。
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過労死ラインの意味とは
｢過労死ライン｣の意味は以下の通りとなります。
(1)長時間・過酷・深夜・出張などの労働が極度のストレスとなり健康被害を及ぼす労働災害と認定される可能性がある時間外労働時間の判断目安や基準。
(2)過酷な労働によって病気や死亡に至るリスクが高まる目安となる判断基準で、特に1か月80時間以上などの時間外労働時間を指すことが多い。
”過労死”は｢長時間労働などで極度の過労やストレスによって脳疾患や心疾患を起こし死亡する事｣、”ライン”は英語｢line｣から｢線｣｢輪郭｣｢境界線｣｢系列｣｢道筋｣で、｢長時間労働が原因とされる心疾患などで亡くなった人の時間外労働時間の判断目安｣や｢長時間労働で亡くなった人を過労死と認定するか否かの目安となる時間外労働時間の境界線｣が｢過労死ライン｣です。これは日本は昔から労働時間が長いのが世界的に問題視されてきましたが、近年は｢働き方改革｣など国を挙げての労働時間削減に取り組み｢過労死｣を減らすように努めています。しかし、それでも｢過労死｣は増加傾向とされ、また｢過労死｣と労災認定するか否かはまた別問題となっています。遺族としては損害賠償や慰謝料などの点からも認定をしてもらいたいものですが、その一つの判断基準となる｢過労死ライン｣が｢時間外労働時間｣で、これまでは健康障害発症の2〜6か月間で1か月80時間でした。ですから1か月に80時間以上の残業が常態化し病気などで亡くなった場合は｢過労死ライン｣を越えているので、｢過労死｣と認定される可能性が極めて高くなります。また、2021年に｢過労死ライン｣が改訂され、80時間未満など条件を満たしていなくても例えば休日出勤数や移動時間や心理的負荷など総合的な観点から、より労働者側に配慮し寄り添った労災認定をするようになりました。
過労死ラインの由来
日本は高度経済成長期などは過酷な労働時間が当たり前だったので、国や行政に国民までが｢過労死｣などは甘えとして認めない社会構造となっていました。しかし、1961年に初めて労災認定基準が設定され、1978年に旧国立公衆衛生院名誉教授で過労死研究の第一人者である上畑鉄之丞博士が｢過労死｣という言葉を命名し、1980年代後半になってやっと社会的にも｢過労死｣が大きな問題となっていきます。その後、2008年頃から｢過労死ライン｣がメディアなどに取り上げられ、過酷な時間外労働時間を無くす動きを見せ始めます。
過労死ラインの文章・例文
例文1.過労死ラインにぎりぎり届かない程度の裁判がどのような判決になるのか興味深い。
例文2.父親が過労死ラインを越える仕事で亡くなった場合の慰謝料は3000万円弱が相場とされている。
例文3.ニートな自分には過労死ラインなどは無縁だが、ずっと部屋に閉じこもっているのもストレスが溜まるので家族には配慮してもらいたい。
例文4.過労死の防止対策に励む厚生労働省の職員が連日の残業で時間外労働時間が過労死ラインを完全に越えたそうだが、逆に少ないと税金泥棒呼ばわりされるのでバランスが難しい。
例文5.先月は余裕で過労死ラインを越える残業時間だったが、課長命令で実際に残業申請したのは半分以下の30時間程度で、不満を漏らせば僻地に飛ばされるしこの業界で働くのは体力勝負だ。
｢過労死ライン｣を使った例文となります。
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過労死ラインの会話例
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また過労死が問題になっているね。
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残業が続いて体を壊したり、自ら命を絶つ人が後を絶たないんだもの、それは問題になるわよ。そういえば、あなたの残業時間は先月何時間？
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先月は暇だったから、多分3時間ぐらいだな？
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3時間って、我が家はあなたの残業手当で家計がもっているのよ？ 過労死ラインの直前まで働きなさいよ！
｢過労死ライン｣について会話をする夫婦という内容です。
過労死ラインの類義語
｢過労死ライン｣の類義語には｢過労死基準｣｢過労自殺｣｢労災認定基準｣｢過労死寸前｣などの言葉が挙げられます。
過労死ラインの対義語
｢過労死ライン｣の対義語はありません。補足として｢過労｣の対義語は｢元気｣｢陽気｣｢健康｣、｢死｣の対義語は｢生｣｢生存｣、｢ライン｣の対義語は｢面｣｢点｣などになります。
過労死ラインまとめ
半ば違法な労働時間によって過労死や過労自殺のリスクが高まる目安となる時間外労働時間を｢過労死ライン｣として、1か月80時間を越えてくると｢過労死｣と認める判決になる可能性が高くなります。2021年には｢過労死ライン｣が20年ぶりに見直され、80時間未満など条件を満たしていなくても労災認定をするなどより従業員に配慮し、企業側は責任と対策が求められています。