適宜(てきぎ)
英語とちがい、微妙なさじ加減で大きく意味が異なってしまうのが日本語の面白さです。今回ご紹介するのは、適宜という言葉です。読み方は「てきぎ」となります。社内の打ち合わせや営業のタイミングで使う機会の多い「適宜」ですが、どのような意味があるのでしょうか。使い方やシーンもわかりやすく説明していきます。
適宜の意味とは
適宜という言葉には、そのタイミングにおいて最も優れていると思う行動をとること…という意味があります。その時できる最善の行動を、示唆するビジネス語として使われています。また適宜には、その場のシーンに合っているさまを言い表すこともあります。
適宜の由来
適宜(てきぎ)という言葉は、日本語の熟語からきています。適当という言葉にも使われる適には、合っている・ピタリとあわさるなどの意味があります。宜には宜しい・ふさわしい・当然だという意味があります。ふたつの言葉が組み合わさると、それをおこなうことが相応しいこと・都合が良いということ…という意味になり、現在の適宜に通じる表現となります。
適宜の文章・例文
例文1.万が一ご不明なことがあれば遠慮なくお申し出ください、適宜対応させていただきます
例文2.お客さまからクレームがきたら、適宜対応してください
例文3.1時間過ぎたら適宜休憩を取ってください
例文4.スープに塩を適宜入れてください
例文5.電話が鳴ったら適宜応対していただけますか
適宜という言葉には、その場の中でもっとも適している行動や量という意味があります。適宜を正しく判断するためには、それを聞く受け手の側にも、多様なイマジネーションが必要になります。
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適宜の会話例
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この案件についてですが、この場合顧客からの不測の事態が多く発生しているため、マニュアルなどで決めることは難しいと考えられます。
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ですが、大筋に関してのみ決めておくのはいかがでしょう。
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そうすれば、マニュアル通りに行ってしまい、今までの品質に問題が出ます。ここは、適宜社員が判断するのが妥当だと考えます。
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そこまで現場任せにする理由は、なんでしょう?一度マニュアル整備することも大切だと考えられますが。
今後、マニュアルを作るかどうかの会議でした。このように、「適宜対応していおいて」と言われることが多々あります。そのときに、すぐに行動することができるようになりたいですね。
適宜の類義語
適宜と似た言葉としてよく登場するのが、「適当」という表現です。スマートな対応が求められる適宜と異なり、適当にはほど良いバランス・アバウトといった、ややカジュアルな含みも入っています。ややキッチリした表現に置き換えたいときは、適宜の類似語である「適切」「然るべく」を使用した方が良いかもしれません。似た言葉としての適時はベストタイミングを示す言葉のため注意しておきましょう。
適宜まとめ
ビジネスの場でよく使われる表現でもある適宜には、その場のシーンに応じて適切な行動を取ること・もっとも良い行いをすること…という意味が込められています。
聞き手に対して「信頼してください」とアピールするための、ひとつの手段にもなりうる言葉のため、有効につかうとお客さんや取引先との関係を深めることができます。カジュアル感の強い適当よりも、ワンランクフォーマルな言い方になるため覚えておいて損はありません。