野分(のわき)
「野分」とは「秋に多い強風や暴風や台風の事」です。気候変動の影響なのか年々、大雨が長引いたり台風が尋常ではないぐらいに勢力を拡大し被害地域も大きくなっています。ですから台風の古称である「野分」と聞くと、少々勢力が弱いイメージもありますが、昔は治水対策や整備が現代よりも遅れていたので小さい台風でも深刻な被害になったと想像でき、「野分」という言葉に恐怖を抱いていた人々も多かったのではないでしょうか?
野分の意味とは
「野分」の意味は以下の通りとなります。
(1)台風に伴う暴風や秋や初冬の強風。台風の古称。
(2)野草を風が強く吹き分ける事から、台風や秋頃の強い風。
(3)立春から数えて210日目にあたる「二百十日」や220日目にあたる「二百二十日」の前後に吹き荒れる台風の事。
(4)「野分き」(のわき)も同義。
「野分」は強風や暴風や台風の事ですが、通常は秋や初冬の頃の強い風となります。また、偏西風の関係から昔も秋の時期は強い風が吹き荒れていた事から、立春から数えて210日目で現在の9月1日にあたる「二百十日」や220日目の9月11日になる「二百二十日」の前後に吹き荒れる強風や台風を特に「野分」と呼びます。よって、秋の季語として俳句などで用いたり、手紙などの挨拶で使うのが一般的です。日常語としては台風や強風を使う方が便利で分かりやすいですが、時代小説などでは「野分」は多用されているので現代人でも知っている人も多いでしょう。
野分の由来
「野分」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては平安時代の公卿・歌人の藤原敦忠による歌集「敦忠集」などに文言が記されています。
野分の文章・例文
例文1.昔も今も秋になると強烈な偏西風で野分に苦しめられるのは、日本の地形によるところも大きい。
例文2.拝啓野分の候、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
例文3.今年は大きな野分もなく作物が順調に生育する事を願っています。
例文4.転勤で群馬へ住むようになって最初は生活環境が変わり戸惑ったが、慣れると便利なところで気に入ったが、それでも秋の野分の強さは体感したものにしか分からない衝撃がある。
例文5.7月の豪雨が全国各地に爪痕を残したのだから、9月の野分がさらに巨大になればとんでもない二次災害へと繋がる恐れが生じる。
「野分」を使った例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
野分の会話例
-
今年も暑いな。今日なんて38度の予想だよ。
-
まだ7月半ばでその暑さって、絶対に地球がおかしくなっているって。
-
うん。確かに…。このままだと9月はどうなるんだろう? この地域って、全国でも野分である台風が最も上陸する事が多いから、もう今から不安だよ。
-
そうだけど、今までのデータはもう当てにならないんじゃない? 日本全国どこに逃げても、自然災害は付きまとうから野分を恐れても仕方ないって。
深刻な猛暑や台風被害について会話をしています。
野分の類義語
「野分」の類義語には「低気圧」「熱帯低気圧」「暴風雨」「颶風」「サイクロン」「ハリケーン」「寒風」「大風」「強風」「竜巻」「秋台風」などの言葉が挙げられます。
野分の対義語
「野分」を「暴風」とすれば対義語は「無風」「微風」「弱風」、「秋台風」なら対義語は「春台風」「春嵐」「春荒れ」「メイストーム」などの言葉になります。
野分まとめ
秋に起こる強風や暴風や台風が「野分」です。野の草を分けて吹く風という事から「野分」となり、そこから現在でも手紙の挨拶などで使われています。要するに秋台風の別名が「野分」なので対義語は「春台風」や「春嵐」、「野分」を「暴風」「強風」なら対義語は「無風」「微風」になります。