長期国債(ちょうきこくさい)
「長期国債」とは「国が発行する債券の中で償還期間が5年を超えて10年以下の国債」です。「国債」は国が発行する債券で、似たような債券で地方発行は「地方債」となります。それぞれ種類が大半多く、全てを網羅し覚えるのは素人には大変困難ですが、単刀直入に言えば債券の中で最も有名であり取引もされているのが「長期国債」です。例えば証券会社などでは「長期国債」を「10年国債」や「日本国債10年」や「米10年国債」(アメリカ国債)などの商品名で扱い、個人投資家などが活発に取引をしています。そんな「長期国債」についての解説となります。
長期国債の意味とは
「長期国債」の意味は以下の通りとなります。
(1)償還期間が5年を超えて10年以下の国が発行する債券(国債)の事。
(2)国が発行する債券の1つで、10年物の利付国債の事。
”長期”は「長い期間」「長期間」、”国債”は「国が発行する債券」で、国が必要に応じてお金を集める際に発行するのが「国債」でその中の種類の1つが「長期国債」です。「国債」並びに「長期国債」の最大メリットは国が発行している債券なので元本と利子を(基本的に)保証している点で、銀行よりも高い金利が約束されています。なぜ国債を発行するのかと言うと国が資金調達する為ですが、これも平たくいうなら財政難であり、日本政府の借金総額は1200兆円ともされ、歳入では賄えないのでその度に国債を発行する悪循環となっています。これには反対意見もあり、「国債」=「資産」とする声もありどちらが正しいかは意見が平行線となるので割愛します。国債は非常に複雑で様々な種類があり、調達目的によって分類され、発行目的では普通国債(歳入債)・財政投融資特別会計国債(財投債)・繰延債・融通債、利払い方式では利付国債・割引国債となり、今回の「長期国債」は利付国債に分類されます。利付国債の種類は以下の通りで、これらは個人が購入する「個人向け国債」とする場合はそれぞれの証券会社などで微妙に商品名・名称が異なる場合もあります。
・短期国債…償還期間が1年以下
・中期国債…償還期間が1年超5年以下
・長期国債…償還期間が5年超10年以下
・超長期国債…償還期間が10年超
これらの国債は一般的に短期国債ほど利子が低く、超長期国債が最も利子が高くなります。しかし、投資先としては長い期間の国債ほど資金を預けっぱなしになるので、次々と投資先を変えるならデメリットとなります。さらに先物市場も存在するので、先ほどの利付国債も証券会社毎に異なりますが、「中期国債先物」「長期国債先物」「超長期国債先物」「ミニ長期国債先物」などに分類されます。「先物商品」としての「国債」並びに「長期国債」については説明が長くなるので、先ほど同様に割愛しますが、要するに「国債」は種類が豊富で先物という金融商品にも含まれていると認識するべきです。最後にまとめると、「長期国債」は日本政府が発行する債券の一つで、本来は金融商品への投資はリスクがありますが、その中では最も安心安全な投資先が「国債」であり「長期国債」です。毎年大量の「国債」を刷っても日本が破たんをしないのは、「長期国債」を含めた日本が発行する「国債」は世界的に見ると安心で価格が安定しているからです。それは株価や為替も同様で、そこに「国債」も含めてバランス良く推移しているので現状は優良な商品なのです。しかし、他国では国債デフォルト(債務不履行)が度々起こっているので、日本だけが絶対安全とは言い切れません。
長期国債の由来
「長期国債」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては大正15年に創刊された「投機市場論」などに文言が記されています。
長期国債の文章・例文
例文1.夜になり寝ようと布団に入ったら急に直感から長期国債が暴落するのではと不安に襲われ、明日になったら絶対に売却処分しようと誓った。
例文2.長期国債などの金融商品にいくら手を出しても、プロだろうと初心者だろうと絶対に勝てないのが投資世界である。
例文3.長期国債に神経をすり減らすぐらいなら、宝くじや競馬を遊び感覚でやる方がマシだ。
例文4.それにしても長期国債などの国債をこれだけ発行しても破綻しない仕組みは普通に考えたら絶対に理解出来ないが、だからなのか日本経済は飛躍もせずに少しずつ着実に下がり続けている。
例文5.長期国債の動向は経済判断の重要指標となるが、実際のところはここ数十年に限れば上下変動をいくらしても庶民の暮らしが豊かになる事はない。
庶民の生活や投資として「長期国債」を使った例文です。
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長期国債の会話例
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うちもそろそろ投資でも手を出そうか?
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えー、投資の世界って怖くない? ネットでも株価暴落で命を落とす人もいるって噂があるじゃない。
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そうだけど、このまま超低金利の銀行に預けていても全然増えないから、それなら国債や長期国債は検討の余地ありだよ。
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じゃあ、そこまで言うなら国債いいじゃない。元本保証って言うし、少しだけ購入して様子を見ようよ。
「長期国債」の商品を購入検討する夫婦の会話です。
長期国債の類義語
「長期国債」の類義語には、「債券」「超長期国債」「資金調達」などの言葉が挙げられます。
長期国債の対義語
「長期国債」の対義語には、「短期国債」「地方債」「市場公募地方債」「銀行等引受地方債」などの言葉が挙げられます。
長期国債まとめ
「国債」は資金を必要とする国が資金調達を目的に発行するもので、その中の「長期国債」は債券の中で償還期間が5年を超えて10年以下の事です。この償還期間によって短期国債や中期国債に超長期国債に分類され、またこれらは「個人向け国債」として証券会社などで金融商品として扱っています。「長期国債」を含めた「国債」は基本的には株や為替などの商品と比較すると安心安全で、不景気なるほど人気となる側面があります。