開いた口へ餅(あいたくちへもち)
皆さんはこのことわざを聞いたことはありますか?これは、例えば臨時の収入や、予期せぬプレゼントをもらった時、あるいは偶然の嬉しい再会があったり…など、思いがけず幸運が訪れることの例えです。しかし一般的にはこのような場面で使う言葉としては「棚からぼたもち」の方がよく知られており、「開いた口へ餅」を使う人は少ないのではないでしょうか。そこで今回はこの言葉について、意味や由来、また類義語との関連についても併せて解説していきます。
開いた口へ餅の意味とは
これは、努力や苦労なしに予期せぬ幸運が舞い込むことのたとえです。文字で見た場合には、なんとなく「棚からぼたもち」とは関係のない言葉に見えるかもしれませんが実は全く同じ意味や由来のことわざで、ただ言い回しが異なるだけなのです。
開いた口へ餅の由来
この言葉は「棚の下で口を開けて寝ていた時に棚に置いてあった牡丹餅が何らかの拍子で落ちてきて、たまたま口の中に入った」という出来事が由来とされています。転じて「思いがけず良い出来事に出会う」ことの例えとして使われるようになりましたが、そもそもこの出来事が実際にあった事なのか、はたまた誰かの想像なのかという事は判明していないようです。
開いた口へ餅の文章・例文
例文1.たまたま譲り受けた宝くじがまさか当選するとは思わず、開いた口へ餅といった気分だ
例文2.何気なく立ち寄ったコンビニで好きなタレントを見かけて、まさに開いた口へ餅だ
例文3.思いがけず再開した同級生との会話から仕事への刺激を受け、開いた口へ餅とはこういうことか、と思った
例文4.暇つぶしに書いていたブログに出版依頼が来るなんて、まさに開いた口へ牡丹餅だ
例文5.無くした消しゴムを探していたら500円玉を拾い、開いた口へ餅の気分だった
このように、思いがけなく訪れた幸運のことを例える言葉として使用します。
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開いた口へ餅の会話例
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昨日探してた鍵は見つかった?
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うん、あちこち探してなんとか見つかったわ。
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それなら良かった。それにしても、なんだかやけに嬉しそうだね?
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鍵を探していた時に、偶然、昔大切にしていたアクセサリーも見つけたの!すっかり忘れていたけど見つかった事が嬉しくて、開いた口へ餅の気分だったわ!
探し物をしていた時に目的のものだけではなく予期せぬ宝物まで見つけたという話でした。日常生活の中でも、こういった思いがけない幸運に出くわす場面は意外と沢山あるのではないでしょうか。
開いた口へ餅の類義語
同じ意味・由来のことわざとして「棚からぼたもち」「開いた口へ牡丹餅(ぼたもち)」「開いた口へお萩(はぎ)」「開いた口へ団子(だんご)」などがあり、また「勿怪(もっけ)の幸い」や「鴨が葱を背負ってくる」も、同じような意味合いで使われます。類義語としては、日本語では「風が吹けば桶屋が儲かる」や「漁夫の利」があり、英語では「pennies from heaven.(天から1セント硬貨が降ってくる)」があります。対義語には「蒔かぬ種は生えぬ」があります。
開いた口へ餅まとめ
昔の人にとって「甘いお菓子」は幸福の印であり、思いがけない幸運を得た際の喜びを表現するのにも使っていたようです。もしも偶然良い出来事に巡り合った時は、その喜びを「開いた口へ餅」という言葉で表してみてください。