闘う雀人を恐れず(たたかうすずめひとをおそれず)
「闘う雀人を恐れず」とは「雀は真剣に他の鳥と戦っている時は人も恐れない事から、夢中になると大きな力を発揮する喩え」です。要するに、弱いとされる者でも真剣になると思わぬ力を出すという事で、実生活でもそんなケースが度々起こる事がありますよね。大番狂わせや波乱の展開といった感じで、劣勢に立たされた方が運良く勝ってしまうのです。そんな状況を表現した「闘う雀人を恐れず」の解説となります。
この記事の目次
闘う雀人を恐れずの意味とは
「闘う雀人を恐れず」の意味は以下の通りとなります。
(1)弱いとされる雀でも必死で戦っている時は、強い相手(鳥)や人を全く恐れない事。
(2)雀が恐れずに戦う姿から、転じて、無我夢中になっていると思いがけない力を発揮する喩え。
(3)「闘う雀、人を恐れず」や「闘雀人を恐れず」(とうじゃくひとをおそれず)も同義。
”闘う”は「自分の利益や要求獲得の争い」「苦痛や障害を乗り切る」「勝負や競争」、”雀”は「全長14センチ程度のスズメ科の鳥」「お喋りな人の喩え」、”人”は「霊長目ヒト科ヒト属の哺乳類」「人間」「人類」、”恐れず”は「怖がらない」「恐怖がない」「畏まらない」「心配や懸念がない」で、本来は雀は弱くて臆病な鳥だがケンカになると大きな鳥でも挑み、また人がやってきてもまったく恐れないので、そんな姿から生まれた言葉が「闘う雀人を恐れず」です。さらには、そんな姿勢を人間にも当て嵌め、「夢中な時は思いがけない力を発揮する喩え」ともなります。よって、弱者が意外な力を発揮したり、怖いものなしの状態、夢中になると声が耳に入らないといったニュアンスもあります。
闘う雀人を恐れずの由来
「闘う雀人を恐れず」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては南北朝時代の軍記物語「太平記」(14世紀後半)などに文言が記されています。
闘う雀人を恐れずの文章・例文
例文1.闘う雀人を恐れずなのか、万年最下位の俺がダイエットをしただけで自信がついて営業成績までトップになってしまった。
例文2.ゲームに夢中で家事を全くしなかったら、母から闘う雀人を恐れずと嫌味を言われた。
例文3.柔道やボクシングなどで強い相手と試合をする事になったセコンドは選手に「闘う雀人を恐れず」といったアドバイスで気合を入れているのだろう。
例文4.練習に明け暮れある程度の自信を得て、やっと闘う雀人を恐れずの心境に至った。
例文5.古橋や南野など体が小さい日本人選手が海外リーグで活躍する様は、現地の外国人ファンからしたら闘う雀人を恐れずといった感じなのだろう。
小さい者や夢中などで「闘う雀人を恐れず」を使った例文です。
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闘う雀人を恐れずの会話例
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ニュースで時々やるけど、イノシシが住宅街に出没すると警察も大変だよな。
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あれって、若い警官ばかりでしょう。地域課の役割なのかな?
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地域課だと思うけど、何にしろ大変だよ。長い棒を持って対応しているけど、俺なら闘う雀人を恐れずって状態でもイノシシから反撃を受けるな。
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調べてみたら、イノシシって100キロ以上もある種類もいるのよね。私も絶対に捕まえられないわ。
イノシシを捕まえようと奮闘する警官の姿について男女が会話をしています。
闘う雀人を恐れずの類義語
「闘う雀人を恐れず」の類義語には、「噛み合う犬は呼び難し」「持ち前の力を出す」「底力を発揮」などの言葉が挙げられます。
闘う雀人を恐れずの対義語
「闘う雀人を恐れず」の対義語はありません。因みに”夢中”の対義語は「冷静」「減滅」、”恐れ”は「安堵」「平穏」「平安」などの言葉が挙げられます。
闘う雀人を恐れずまとめ
「闘う雀人を恐れず」は小鳥である雀が他の鳥と戦っていると人も恐れない姿から、予想外の力を発揮する喩えです。本来は臆病な雀ですが、夢中になるとそんな事も忘れてしまうのです。よって、普段は今一つでもいざという時などに力を出す際に使われる諺となります。