隠微(いんび)
この隠微という言葉。全く同じ読み方で異性関係や風紀の乱れを表す「淫靡」という言葉も存在していることから、何か色を感じさせる言葉の類ではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。ただこの言葉の意味はそうでなく文字通り隠れて微かにしか見えないことを表したものになります。
今回はそんな「隠微」という言葉について、解説をしたいと思います。
隠微の意味
隠微とは、「隠」という文字と「微」という文字の繋がりが示すように、隠されているようで微かにしか窺えない様子。転じて、表面に現れにくい微妙な様子、わかりにくいことを表した言葉になります。
「ぼけた」「うっすら」「細やかな」といった言葉で置き換えると、使える場面が想像しやすい言葉かもしれませんね。
隠微の由来
この言葉が現在のような意味を持つ言葉として、広く使われるきっかけとなったものは一説では1927年。里見弴(さとみとん)という明治から昭和にかけて活動した日本の小説家が書いた作品「多情仏心」の中にて「そこらの隠微な気持までは、〜しかとは見極めかねた」という形で組み込まれたことではないかとされています。
隠微の文章・例文
例文1.彼は隠微な動きをしている。
例文2.彼女の姿に隠微な色気を感じる。
例文3.私の知り合いは隠微な企みを持っているようだ。
例文4.この宝石はどこか隠微な光沢を放っている。
例文5.隠微な形でありながら、間違いなく断続しながら存在している。
隠微という言葉は何か不穏な空気を感じた場面においても使うことができる言葉となっています。
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隠微の会話例
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さっき部長ですれ違った部長がすごい隠微に笑っていたのですが、何かあったのですか?
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前から目を付けていた株が一気に値上がりしたそうです。
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なるほど!よかったー仕事に関係することでなくて。
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そうですね!また何か思い付きでとんでもないビジネスを始めることに私達が巻き込まれた大変ですもんね。
隠微という言葉は他にも、怪しいといった意味を持つものとして扱うことができます。
隠微の類義語
隠微の類義語としては、「機微(きび)」や「微妙(びみょう)」といった言葉が挙げられます。
隠微まとめ
最近では上級国民、無敵の人といった事件も存在しているように、悪い意味で隠微な空気を感じる、詳しい背後関係や理由原因がわからずただただ心を痛めるような出来事も沢山起こっているものです。
つい最近も京都アニメーションで「小説を盗まれたから放火をした」といった理由で70人以上の死傷者を出した放火事件が発生しましたが、実際のところそんな理由でこれだけの事件を起こすものかと隠微なものを感じてなりません。