青菜に塩(あおなにしお)
皆さんは「青菜に塩」という言葉をご存知ですか?文字から推測して「料理に関すること?」と思う方もいるかもしれませんが、実はこれは、人の様子や心理状態を表すたとえとして使われる言葉なのです。では一体、どのような意味があるのでしょうか。ここではその由来や使い方、類義語なども併せてご紹介します。
青菜に塩の意味とは
「青菜に塩」とは、元気がなくうなだれている様子を表す言葉です。もとは元気があったのに、すっかり元気をなくしてしょげてしまった人に対して使われます。
青菜に塩の由来
青菜とは、ほうれん草や小松菜などの緑の葉もの野菜のことを言い、たとえ新鮮な青菜でも塩を振りかけると水が出てしんなりと萎(しお)れてしまうことから、転じて人が元気なくしょげている様子のたとえとして使われるようになりました。
青菜に塩の文章・例文
例文1.母が帰ってきた後の父は、いつも青菜に塩のありさまだ
例文2.楽しみにしていた遠足があいにくの雨で、青菜に塩の気分だ
例文3.さっきまで元気だった彼が、なぜか急に青菜に塩といった具合に落ち込んでしまった
例文4.飲み会に苦手な上司も参加するとわかり、青菜に塩だ
例文5.弟は学校から帰ってきたそばから母に叱られ、青菜に塩といった表情をしている
「もともと元気だったものがしょげてしまった」という意味合いなので、最初から落ち込んでいる人や、病気などが原因で元気のない人には使いません。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
青菜に塩の会話例
-
さっきまで楽しそうにゲームしていたのに、青菜に塩って様子だね。何かあった?
-
明日は休みだから今夜は思いっきり遊ぼうと思っていたのに、今日中にやらなきゃいけない仕事を思い出したんだ。
-
なるほど、それで急に元気がなくなったのか。
-
すっかり忘れてから、なおさらショックが大きいよ・・・
「青菜に塩」と使うことで気持が一変してしまったことが伝わります。このように、それまでの様子とは打って変わっていきなり元気がなくなってしまった場合に使います。
青菜に塩の類義語
同じ意味合いで「青菜をお湯につけたよう」と言う場合もあります。他には「幽霊の浜風(ゆうれいのはまかぜ)」や「蛞蝓に塩(なめくじにしお)」などが類義語となります。「幽霊の浜風」は京都いろはがるたのひとつで、塩気の多い浜風に吹かれた幽霊のようにぐったりして元気がない様子を言います。また「蛞蝓に塩」は、なめくじに塩をかけると縮んでしまうことから、苦手な物事に出会い、しゅんとして縮みこんでしまうことのたとえとして使われる言葉です。英語では「be crestfallen(がっかりした・元気のない)」が近い意味合いの言葉になります。
反対に、生き生きとしている様子は「水を得た魚(みずをえたさかな)」と言います。
青菜に塩まとめ
一見食べ物や料理に関することのように思えますが、実は人の様子を言い表すたとえとして使われる言葉でした。例文でもあげたように、楽しそうにしていたり活気のある様子から一変して急激に元気が無くなってしまう場面は日常でもよく起こる状況だと思いますので、ぜひ正しい意味を覚えて活用してみてください。