静寂閑雅(せいじゃくかんが)
この記事では、あまり聞きなれない「静寂閑雅」という言葉について解説します。静寂は物音ひとつ立てない様子。閑雅は聞き慣れない言葉ですが、「風雅、趣きがある」という意味になります。主に風景を表す際に使います。日本の四字熟語にもいろいろあり、このように普段使い慣れない言葉も存在します。「静寂閑雅だね」とはあまり言いませんよね。というわけで、この静寂閑雅という言葉について使い方を見ていきましょう。
静寂閑雅の意味
静寂閑雅とは「物静かで趣きがある様」を表します。単純に静かなだけではなく、単純に趣きがあるだけでもありません。その双方を併せ持った不思議な魅力を持つ風景や場所のことです。松尾芭蕉の有名な俳句に「古池や 蛙飛び込む 水の音」というものがあります。あの句はまさに、静けさとみやびな趣が融合している見事な静寂閑雅そのものの風景描写です。
静寂閑雅の由来
静寂という言葉はよく聞きますが、閑雅は聞きなれません。閑雅は「風流で上品な様子」、また「静かで趣きがある」という言葉で、単体でも静寂閑雅という言葉の意味を持っていると言えます。そこに「静寂」が加わることで、よりひっそりとした、わびさびを感じさせる風景を描写しているといえます。
静寂閑雅の文章・例文
例文1.旅館のある場所が随分と山奥で少し心配したが、静寂閑雅でいい所だ
例文2.都会に住んでいたら、このような静寂閑雅な風景は拝めなかった
例文3.この画家の絵を前にすると、静寂閑雅な心持にさせられる
例文4.故郷の静寂閑雅な風景を保存したいと思い、定年後にボランティア活動を始めた
例文5.静寂閑雅を引き裂く叫び声が森にこだました
通常は書き言葉に登場し、なかなか話し言葉の中で使う機会はありません。しかも、都会に住んでいるとあまり使う機会はないかもしれませんね。
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静寂閑雅の会話例
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ふう、やっと着いた。早速温泉に入りに行こう。君はどうする?
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私は近くを散歩してくるわ。木漏れ日が気持ちいいもの。森林浴を楽しまないと、もったいないわ。
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ああ、確かにそうだね。ここは露天風呂が美しいと聞くから、僕もお風呂にゆっくり浸かりながら景色を楽しもうかな。
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まさに静寂閑雅そのものの場所ね。
上記の夫婦は、山奥の温泉旅館に旅行に来ているようです。普段触れない物静かで趣きのある風景に、到着直後から既に感動しているようですね。
静寂閑雅の類義語
静寂閑雅の類義語としては「幽寂閑雅」が挙げられます。ほぼ同じ意味なのですが、「幽寂」は「奥深く」という意味があり、より深みを感じさせる言葉です。その他「わびさび」という独特の表現も使いこなせるようになると、ますます日本的なみやびさを表現できますね。
静寂閑雅まとめ
一種独特な「静けさ」を美しさと感じる感覚から、たくさんの四字熟語が生まれています。「静寂閑雅ないい場所だったよ」と言っても首を傾げられてしまうかもしれませんが、一つの表現として覚えておいて損はないでしょう。