面の皮を剥ぐ(つらのかわをはぐ)
「面の皮を剥ぐ」とは「ずうずうしくて性格悪い人の本性を暴き、恥をかかせる事」です。学校や社会生活は大人しくして相手の言い分を聞いていると、最終的には損をするのが多いですよね。弱肉強食システムとでも言うべきなのか、善人が負い目を持つのは政治世界を見ているだけで一目瞭然です。しかし、そんな我慢をしてきた弱者でも時には反撃をすると成功する事もあり、それがとても痛快で世間が求めているのも事実です。こんな事を考えてしまった「面の皮を剥ぐ」の解説となります。
面の皮を剥ぐの意味とは
「面の皮を剥ぐ」の意味は以下の通りとなります。
(1)厚かましい人の正体を暴く事であり、また恥をかかせる事。
(2)ずうずうしい振る舞いの人の本性を暴き、面目を失わせる。
(3)「面の皮をひん剥く」「面皮を剥ぐ」も同義。
”面の皮”は「顔面の表皮」「面皮」、”剥ぐ”は「表面部分を剥き取る」「奪い取る」「付着しているものを離す」で、俗に言う厚かましい悪人タイプの本性を露わにして面目を失わせるのが「面の皮を剥ぐ」です。ニュアンス的にはこれまで我慢していたものが限界に達し、そのずうずうしさを周知の事実とする感があります。面の皮が厚く性格などが悪い人は抜け目ないので、その悪い部分を知っている人は案外と少ないのです。そんな世渡り上手な狡賢さを大勢に暴露し、厚い皮の中に隠された本当の正体を皆に知ってもらうのが「面の皮を剥ぐ」です。例えば、女性にセクハラまがいをする上司の態度を暴露したりするのが「面の皮を剥ぐ」で、誰かの助けになったりスッキリ爽快になるのがより相応しい感もあります。一方で「ずうずうしい」や「厚かましい」はどの程度なのかやや難しい面もあるので、悪人のような男の本性暴露でも使いがちとなるのが実情ではないでしょうか。よって、鼻を折る・顔に泥を塗る・生き恥をさらさせる等々の名誉を損なう行為でも「面の皮を剥ぐ」となります。
面の皮を剥ぐの由来
「面の皮を剥ぐ」の由来は残念ながら不明ですが、一説によると面の皮が厚いという意味の「厚顔」が時代経過によって「面の皮」に変化したとも言われています。文献としては「厚顔」は、平安時代の貴族・菅原道真の漢詩文集「菅家文草」(900年頃)などに文言が記されています。
面の皮を剥ぐの文章・例文
例文1.体育会系出身でいつも厚かましくて大嫌いな同僚の面の皮を剥ぐ事に成功したが、終わってみるとどうも空しくスッキリしないのはなぜなのか。
例文2.女性アイドルが大人しく清純なふりをしていると、真面目な子が芸能界に入るかと本性である面の皮を剥ぎたくなるが、それをやったらオタクファンから返り討ちに遭うので我慢している。
例文3.車高を落としてマフラーを改造した車を乗り回す地方の若者と、韓国アイドルの真似をしたファッションで路上飲みを繰り返しイキる東京の若者は、どちらも似たり寄ったりで面の皮を剥ぐ必要もない。
例文4.マンションのゴミ捨て場を乱雑に扱う不届き者を発見し、その面の皮を剥いでやりたい衝動に駆られている。
例文5.担任教師は父兄や他の教師の前では指導熱心な教育者の姿を見せているが、裏では成績悪く大人しい生徒を小馬鹿にして気に入った女子生徒にはセクハラまがいの態度をするので、クラス全員が決起して面の皮を剥ぐ計画を実行する事になった。
様々な厚かましい人に「面の皮を剥ぐ」を使った例文となります。
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面の皮を剥ぐの会話例
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そんなに怒った顔をしてどうしたの?
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○○課長ですよ。あの人は本当にスケベで最悪。そっとバレないぐらいのセクハラを繰り返してきて。絶対に今度は証拠を掴んでやるんだから。ぐ
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でも、〇〇課長って結構評判も良いし皆からも好かれているから、面の皮を剥ぐのは結構難しいぞ。
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だから今から事前準備をするの。先輩にも協力してもらいますからね。
職場での同僚男女の会話で、セクハラまがいを繰り返す上司に女性の怒りが頂点に達しています。
面の皮を剥ぐの類義語
「面の皮を剥ぐ」の類義語には、「面皮を剥ぐ」「化けの皮が剥がれる」「恥を見す」「灸を据える」などの言葉が挙げられます。
面の皮を剥ぐまとめ
「面の皮を剥ぐ」は厚かましくて失礼な者の本性を暴き恥をかかせる事です。要するに、大勢には善人に見えるが実は裏の顔を酷いという事実を公にして、相手を懲らしめるのです。世間にはこのような裏の顔は性悪という人は本当に多く、特に狡賢くずうずうしさを利用して弱者を利用する者が最後まで勝ち残るのです。そんな悪人めいた人にある意味で罰を与えるのが「面の皮を剥ぐ」なのです。