風に櫛り雨に沐う(かぜにくしけずりあめにかみあらう)
「風に櫛り雨に沐う」とは「風雨にさらされ仕事をする事から、働く事は大変や苦労という喩え」です。これは外仕事だけでなく仕事全般やそもそも人が生きる事が大変となり、それぐらい世の中を渡るのは気苦労をするという事なのです。古代中国でも当時の人々は仕事や生き方に嘆き苦しみ、それから数千年が経過した現代でも同様の悩みを抱えているのですから、本質的には人類は全く進化をしていないと思えてなりません。
この記事の目次
風に櫛り雨に沐うの意味とは
「風に櫛り雨に沐う」の意味は以下の通りとなります。
(1)風雨にさらされながら苦労して働く、又は酷い苦労をする事。
(2)外で風雨に耐えながら仕事をする事から、世の中の辛苦に耐える喩え。
(3)「櫛風沐雨」、「雨に沐い風に櫛る」なども同義。
四字熟語「櫛風沐雨」は「風に櫛り、雨に沐す」(かぜにくしけずり、あめにもくす)と読み、それを発展させたのが今回の「風に櫛り雨に沐う」です。”櫛風”は「櫛で髪を梳くように風にあたる」、”沐雨”は「雨に浴びる」で、風雨で髪が乱れるほどの状況下で仕事をする苦労という意味になり、簡単に言えば「辛い状況でも頑張る」と解釈されます。また中国では仕事の苦労だけでなく、武者修行や放浪生活での苦労としても使用されるので、労働以外の辛苦に耐えるとしても用いられます。
風に櫛り雨に沐うの由来
「風に櫛り雨に沐う」の由来は中国戦国時代の思想家・荘子の書物「荘子」となります。それによると、古代中国の夏の国の伝説的な王様「禹王」が黄河の治水工事に苦労を重ねた事から誕生した言葉と伝えられています。
風に櫛り雨に沐うの文章・例文
例文1.子供の頃の我が家は生活が苦しかったので、高校時代から新聞配達をして家計を支えた日々は風に櫛り雨に沐うだったが良い思い出だ。
例文2.何か辛い事があったら風に櫛り雨に沐うを胸に逃げ出さずに頑張るつもりだ。
例文3.風に櫛り雨に沐うと人は簡単に言うが、出来れば苦労を避けたいのが本心ではないのか。
例文4.炎天下で汗だくになって働いていた頃は、風に櫛り雨に沐うような環境から一刻も早く脱げ出す事ばかりを毎日考えていた。
例文5.実家が裕福だと風に櫛り雨に沐うなど無縁な日々を送るのだから、いくら資本主義とはいえ家庭環境での経済格差を是正させなければならない。
「風に櫛り雨に沐う」を使った例文となります。
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風に櫛り雨に沐うの会話例
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ただいまー。びしょびしょに濡れたよ。
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どうしたのよ。そんなに酷い格好で。傘がないなら電話してくれれば車で迎えに行ったのに!
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途中までは有ったけど、強風で傘が持っていかれて。まあ、風に櫛り雨に沐うと思えば別にいいかと思ったけど…、想像以上に酷いね。
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取り敢えず早くシャワーでも浴びないと風邪引くわよ。
帰宅途中に大雨に遭ってしまい、ずぶ濡れで帰宅した夫という内容です。
風に櫛り雨に沐うの類義語
「風に櫛り雨に沐う」の類義語には、「沐雨櫛風」「風櫛雨沐」などの言葉が挙げられます。
風に櫛り雨に沐うまとめ
「風に櫛り雨に沐う」は風雨に耐える苦労といった意味合いです。風雨の下で頑張りながら働いたり辛苦を重ねる事から、世の中は苦労が多いと説いています。現代的に解釈するなら、仕事はもちろんながら日々の生活を送るのは体力や精神的に疲れる事が多く大変という事になります。