飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし)
夏の夜になると、街頭の周りに昆虫たちが集まっている光景をよく見かけますよね。そんな様子から生まれたこの「飛んで火に入る夏の虫」ということわざですが、いったいどのような意味や由来があるのでしょう?例文や類義語も合わせてご紹介していきます。
この記事の目次
飛んで火に入る夏の虫の意味とは
このことわざには、「自ら進んで危険に飛び込み、災難を招くこと」という意味があります。灯火めがけて飛んでくる夏の昆虫のように、自ら危険な場所に身を投じて災難を招くことを表現したことわざです。
飛んで火に入る夏の虫の由来
昆虫は光に向かって飛ぶ習性がありますが、ろうそくなどの灯火の明るさにつられて飛んで来た夏の虫が火の熱で焼け死んでしまう様子が由来となっています。転じて「自ら災難に飛び込む」事のたとえとなりました。
飛んで火に入る夏の虫の文章・例文
例文1.素人が危険なレースに参加するなんて事故が起きるに決まってるんだから、飛んで火に入る夏の虫というものだ
例文2.たいそうご立腹なクライアントの元に新人が1人で謝りに行こうとするなんて、飛んで火に入る夏の虫だ
例文3.まさかこんな最悪な結果になるなんて予想していなかったけど、今思えば飛んで火に入る夏の虫だったな
例文4.不機嫌な母をわざと怒らせる為にイタズラをしに行くなんて、飛んで火に入る夏の虫だ
例文5.私が姉のところに説得に行くなんて、飛んで火に入る夏の虫だからやめておこう
このように、危険だと自覚して近づいた場合と、危険だと気付かずに近づいてしまった場合のどちらにも使う事ができます。
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飛んで火に入る夏の虫の会話例
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昨日はお母さんとちゃんと話ができた?
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いいえ、昨日はまだ怒っている様子だったから、今話したら飛んで火に入る夏の虫だと思ってやめておいたわ。
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それは賢明な考えだね。
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ええ、少しほとぼりが冷めてから話すわ。
上記の例のように「自らその状況に飛び込むことによって、災難を招くかもしれない」という意味合いで使います。
飛んで火に入る夏の虫の類義語
類義語には「蛾の火に赴(おもむ)くが如し(ごとし)」=好んで危険に向かっていくこと、「愚人(ぐにん)は夏の虫」=自ら自分を危険に陥れること、「手を出して火傷する」=余計な手出しをしてひどい目にあうこと、などがあります。これらには共通して「危険に飛び込んでしまう人は愚かだ」という意味が込められています。
飛んで火に入る夏の虫まとめ
これは比較的よく使われることわざですが、夏の風景が由来していたというのは少し意外だったのではないでしょうか。ことわざの意味としては一年中使えるものですが、少し季節の風景を感じながら使ってみるのもまた、おもしろいかもしれません。