飲鴆止渇(いんちんしかつ)
「飲鴆止渇」とは「後のことを考えずに、目先の利益を得ること」を意味する四字熟語です。目の前に甘い誘惑があった時、すぐに飛びついて痛い思いをした経験がある人も多いのではないでしょうか。後の事が考えられず、藁にもすがる思いで目の前の利益を優先する。そんな状況を表す四字熟語が存在します。今回はそんな「飲鴆止渇」について解説を行います。
飲鴆止渇の意味とは
「飲鴆止渇」とは「後のことを考えずに、目先の利益を得ること」を意味する四字熟語です。その他にも、その場しのぎの嘘をついて、その場を乗り切ったとしても、後々大変なことになってしまう時にも利用されます。子供の時など、怒られることが嫌で、口から出まかせのように嘘をついたこともあると思います。テストで悪い点を取ってしまい、親に知られると怒られてしまいます。怒られるのが嫌でその場は「テストはまだもらってない」と嘘をついても、その後部屋を掃除されて見つかり、テストの点数以外にも嘘をついたことも怒られてしまった。そんな、後の事を考えずに嘘をつき、より怒られることになった時に使える四字熟語が「飲鴆止渇」です。
飲鴆止渇の由来
中国の伝説に鴆(ちん)という鳥がいました。その鳥の羽には毒がしみ込んでいたそうです。そのため、鴆の羽毛を酒に入れて鴆酒を作り、謀殺のために利用されたと言われています。鴆の毒は非常に強力で、解毒方法は分かっておらず、飲んだ人を死に至らしめるほどの毒です。「飲鴆止渇」は、喉の渇きを癒すために、後の事を考えず鴆酒を飲んでしまう。といった言動からきています。「目の前の喉の渇きをどうにかしたい」という利益を優先し、飲んだ後の事を考えていないことから、現在でも、後の事を考えず目の前の利益を優先した時に使用されます。
飲鴆止渇の文章・例文
例文1.飲鴆止渇、その場しのぎの嘘なんて後で後悔するよ。
例文2.クレジットで爆買いする行為は飲鴆止渇だ。
例文3.飲鴆止渇、将棋をしてて上手い人に勝てないのは、取れるものからとっているからだ。
例文4.飲鴆止渇だから、今お金はかかるけど保険に入っておいた方がいい。
例文5.飲鴆止渇、夏休みが始まったら宿題は早く終わらせた方が良いと思うよ。
様々な「飲鴆止渇」についての例文となります。
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飲鴆止渇の会話例
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僕が入った会社初任給がめちゃくちゃよかったんだ。
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よかったじゃん、でもどうしてそんなに悲しそうなの?
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初任給が良かっただけで、それ以外のところを見てなくて、仕事内容はあまり面白くないし、移動費も実費なんだ。
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飲鴆止渇だね、初任給しか見てなかったんでしょ。早く決めたい気持ちはわかるけどちゃんと確認しないと。
新社会人が飲み会で話していた会話です。
飲鴆止渇の類義語
「飲鴆止渇」の類義語には、「鬱肉漏脯(うつにくろうほ)」「止渇飲鴆(しかついんちん)」などの言葉が挙げられます。
飲鴆止渇の対義語
「飲鴆止渇」の対義語はありませんが、対義語に近い言葉としては「石橋を叩いて渡る」などの言葉が挙げられます。
飲鴆止渇まとめ
ついつい嫌なことがあったり、自分に不利益がでるような場面だと、逃げてしまいたいと思って、後の事は考えない経験はあるのではないでしょうか。元々の意味としては、喉の渇きを癒すために毒酒を飲むものでしたが、その場しのぎをしても結果、大変な事になるという戒めの意味も込められている言葉です。もし、目の前に問題が現れても、この言葉を思い出すことで後の事を考えることが出来るようになると思います。会社では後輩への指導の際にも利用できると思いますので、ぜひ利用してみてください。今回はそんな「飲鴆止渇」について解説を行いました。