香具師(やし)
この香具師という言葉には、2つの解釈があります。1つは本来の意味で、もう1つは主にネットで広く使われている解釈です。
香具師の意味とは
香具師とは「やし」と発音し、神社などで行われるお祭りや縁日において、露天商として参加している人を指す言葉です。そのような場で見せ物を行う大道芸人も、この香具師に含まれます。つまりは、「的屋」(てきや)のことだと考えていいでしょう。
「こうぐし」という読み方もありますが、「やし」の方が一般的です。その為、現在ではこの言葉を「奴」の当て字として使うことが多くなっています。これが、この言葉の最近のネットでの主な使われ方です。
例として、”そんな奴”と表記するところを”そんな香具師”と書いてみたり、”香具師の言うことは~”などと使われることが多いです。奴→ヤツ→ヤシというネットならではの変化によって、このように使われるようになりましたが、この「奴」の意味で「香具師」と使っている人の中には、本来の意味を知らない人も多いと思われます。
香具師の由来
香具師の由来には諸説ありますが、かつて薬の行商をしていた「弥四郎」という人物が語源だという説が有力です。その弥四郎のような行商は、香具を扱っていることが多かったことから、弥四郎の「弥四」が「香具師」と変化し、そのまま「やし」と発音するようになったと言われています。
香具師の文章・例文
例文1.この前の神社のお祭りには、香具師があまり出店してなかったね
例文2.香具師家業を10数年続けてきたが、そろそろ限界だと感じた
例文3.香具師と言われても分からなかったが、要は的屋だと言われて意味が分かった
例文4.今から香具師を生業として始めるのは難しいのではないか
例文5.そんな香具師に関わっている時間はないだろう
最後は、ネット用語として単に「奴」の当て字として使っている例です。どちらの意味で使っているのかは、前後の文脈を元に判断してください。
実際のところ、本来の意味の香具師は、今では「的屋」と表現されることがほとんどなので、ネットで軽く使われている場合には、ほとんどは「奴」の意味だと考えていいでしょう。
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香具師の会話例
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今日祭りがあるから、言ってみない?
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いいよ。
どんな香具師があるのか楽しみだね! -
そうだね!香具師目的で行くようなものだからね!
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じゃあ今日の18時に現地で待ち合わせね。
大半は出店や的屋で呼ぶことが多いですが、香具師と呼ぶと物知りなように聞こえますね。
香具師の類義語
香具師の類義語は、ここまでに挙げてきたように、「的屋」がそのまま当てはまります。この的屋は、元は拾った物や安価な物を売って生業としている人のことを指す言葉でしたが、そこから転じて露天商のことを指す言葉として使われるようになり、今では香具師と同様の意味の言葉として、その香具師より広く使われています。
香具師まとめ
香具師という言葉を見掛けた際には、本来の意味なのか、単にネットスラングとして「奴」のことなのかの見極めが必要になります。しかし、ほとんどは後者の方だと言っていいので(前者の場合には「的屋」が使われることが多いので)、本来の意味は参考程度に覚えておけばいいと言えるかも知れません。