骨身に染みる(ほねみにしみる)
「骨身に染みる」とは「骨身は骨と肉なので、心と体の全体で物事を感じる事」です。寒空の下で仕事をした後に温かいお茶やコーヒーを飲むと生き帰り、思わず「骨身に染みるー」と言った覚えがないですか? 他にも教師に的を得た注意をされ正論なだけに「骨身に染みて反論できない」と言うなど、心底から感じ取るのが「骨身に染みる」です。それでは解説に入らせて頂きます。
骨身に染みるの意味とは
「骨身に染みる」の意味は以下の通りとなります。
(1)心や体で物事を感じる。全身や心で強く感じる。
(2)嬉しさや苦しさなどを体全体で深く感じる。
(3)「骨身にしみる」「骨身に沁みる」「骨身に応える」「骨身に通る」も同義。
”骨身”は「骨と肉」「体」「全身」、”染みる”は「液体が他に移り広がる」「心にしみじみと感じる」で、体全体で感情などを理解するのが「骨身に染みる」です。一見すると簡単ですが、その微妙なニュアンスを伝えるのはなかなか難しい言葉となっています。大変な苦労をして人の優しさに触れると「温もりが骨身に染みる」、独り暮らしで寂しいと「孤独が骨身に染みる」といった風になり、本当の意味で温もりや寂しさといった感情を理解できた際に強調するように使います。要するに、これまでは表面上でしか理解していなかったが、自分がそのような状況下になって初めてその気持ちが骨と肉まで浸透し体全体で感じ取ったので「骨身に染みた」と主張しているのです。よって、相手に共感をしてもらいたいので、必然的に嬉しさよりも悲しさや苦しさなどで使いがちです。
骨身に染みるの由来
「骨身に染みる」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては俳諧「新続犬筑波集」(1660年)などに文言が記されています。
骨身に染みるの文章・例文
例文1.職場で体調不良で倒れた時は上司や同僚の優しさが骨身に染みたが、後になって問題事に発展すると責任が問われるので各々が後ろめたさからの行為だったと知りガッカリした。
例文2.捻くれた性格なので、人前では骨身に染みたフリをして感謝を表すのが得意だ。
例文3.総理の会見は心がこもっていないので、国民の骨身に染みる事はこれからもないだろう。
例文4.真冬に長時間釣りをした後に食べるラーメンは絶品で、骨身に染みる美味しさとはこの事だ。
例文5.コロナ恐怖が若者の骨身に染みる事はないが、かといって政治家にも悲壮感はなく馬鹿を見るのは医療従事者や要請を守る飲食店だけだ。
感情や気持ちとして「骨身に染みる」を使った例文です。
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骨身に染みるの会話例
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今日は寒いねー。こう何日も続くと、骨身に染みるよ。
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私も朝起きるのが憂鬱で、在宅ワークが懐かしいです。
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本当だよね。あれだけ暑い夏が終わったと思ったら、今度は一気に寒くなるからね。
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先輩は給料が多いから懐は暖かいじゃないですか。私は新人なので、家計も寒くて大変ですよ。
職場の先輩後輩によるちょっとした世間話になります。
骨身に染みるの類義語
「骨身に染みる」の類義語には、「共感」「痛いくらいに分かる」「身に染みて知る」などの言葉が挙げられます。
骨身に染みるまとめ
「骨身に染みる」は体の芯である骨まで嬉しさや悲しさなどの感情を感じ取る事です。要は体全体で強く感じる事で、通常よりも過剰に表現する際や強く感じたとする際に「骨身に染みる」や同義である「骨身に応える」「骨身に通る」が使われます。