鱶(ふか)
「鱶」とは「関西などで多く用いられる『鮫』の別称であり、よく眠る人の例え」です。「鮫」というと映画「ジョーズ」の「人食い鮫」から怖いイメージもありますが、「鱶」というと中華料理から「フカヒレ」を想像するのではないでしょうか? どちらも基本的には同じサメ類でも言葉が変わるだけで印象が異なってしまうものです。
鱶の意味とは
「鱶」の意味は以下の通りとなります。
(1)サメ類の俗称・別称で特に大形のサメを指す。
(2)サメ(鮫)の古語的表現であり現在でも関西地方で多く使われる呼び名。
(3)よく眠る人。鼾をかいて眠る人の例え。
「鱶」はサメ類の俗称や別称で、要するに普通のサメや大形なサメの事です。古語的表現でもあるので関東や北日本ではあまり馴染みはありませんが、関西地方などでは現在でもサメを「鱶」と呼ぶのは多々あります。例えば中華料理の高級食材「フカヒレ」はサメの背ヒレ・胸ヒレ・尾ヒレを食す料理ですし、愛媛県の郷土料理「鱶の湯ざらし」もサメを酢味噌で食べる珍味な事からも、「鮫」を敢えて「鱶」とするのです。また、よく眠る人やどどこでも眠れる人や鼾をかいて眠る人を「鱶」として、そこから「鱶ほど寝る」や「鱶の寝食い」といった諺もあります。かつては「鮫」や「鱶」は泳ぎ続けていないと死ぬので寝ないといった都市伝説的な噂がありましたが、実際にはきちんと眠っているのでこのような諺が誕生したようです。
鱶の由来
「鱶」の由来は古代中国・明時代に「フカヒレ」が料理として食べられるようになり、それが日本に伝わったのは始まりとされています。文献としては江戸時代中期の雑俳「軽口頓作」などに文言が記されています。
鱶の文章・例文
例文1.親戚のおじさんは60代後半なのに現役漁師だが、今は温暖化による海水温度が上がったので獲れる魚の種類が変化して高級魚の代わりに鱶が増えたと嘆いている。
例文2.鱶の伝統料理は全国各地にあるそうだ。
例文3.結婚したばかりの妻は魚を見ただけで目を背けていたのに、今では一人で鱶を捌いて湯引きにするのも平気になった。
例文4.どこでも眠れる俺はつまり、鱶ほど寝るという諺通りの男である。
例文5.鱶は体内に独特のアンモニア臭がするので、人によって好き嫌いが激しく分かれる。
「鱶」を使った例文となります。
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鱶の会話例
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そういえば、最近は中華料理を食べていないなー。
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寿司や焼き肉ばっかりだものね。偶にはお店に行こうか?
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エビチリや鱶鰭(フカヒレ)を腹一杯食べるのもいいな。よし、行こう!
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じゃあ、どこのお店に行くかスマホで調べる。
中華料理を食べに行こうとする2人の会話です。
鱶の類義語
「鱶」の類義語には「ワニ(山陰地方)」「ジョーズ」「シャーク」「人食い鮫」「ギンザメ」「メジロザメ」「ウバザメ」「オナガザメ」などの言葉が挙げられます。
鱶の対義語
「鱶」の対義語はありません。補足として、乾燥でザラザラになる「鮫肌」の対義語は白くて柔らかい「餅肌」になります。
鱶まとめ
「鮫」の別名で大阪など関西地方では現在も主流で使われている呼び名が「鱶」です。中華料理の「フカヒレ」としても有名ですが、全国各地には「鱶」を材料にした伝統料理が多くあり、それぐらい「鮫」を「鱶」と呼ぶのは親しみがあります。